米朝事務所 公式HP
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先日、落語を見に、
大阪・地下鉄動物園前駅にある寄席
『動楽亭』さんに行って来ました。

こちらの『動楽亭』さん、
なにがすごいって落語家さんとの距離感です。
まあ近いのなんのって、手を伸ばせば届きそうな近さで熱演して頂けます。
(以前行ったのが、だいぶと大きな会場だったので余計に驚きました)

そして肝心の落語ですが、
演者さん一人一人で異なる雰囲気があり
聞き入っていくうちに、
演者さんの周りに物語りの風景が出てくるような、
気持ちの良い酩酊感を感じました。

特に桂ざこばさんの落語が印象的で、
芸に生きる人の凄みを感じました。


今回は、気穴論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。

【気穴論篇 五十八】

【原文】
黄帝問曰、余聞気穴三百六十五、以応一歳。
未知其所。願卒聞之。

岐伯稽首再拝対曰、窘乎哉問也。其非聖帝、熟能窮其道焉。因請溢意尽言其所。
帝捧手逡巡而却曰、夫子之開余道也、目未見其処、耳未聞其数、而目以明、耳以聡矣。
岐伯曰、此所謂聖人易語、良馬易御也。
帝曰、余非聖人之易語也。世言真数開人意。今余所訪問者真数、発蒙解惑、未足以論也。
然余願聞夫子溢志尽言其処、令解其意。請蔵之金匱、不敢復出。

岐伯再拝而起曰、臣請言之。背与心相控而痛、所治天突与十椎及上紀。
上紀者、胃脘也、下紀者、関元也。背胸邪繋陰陽左右。如此其病前後痛渋、胸脇痛而不得息、不得臥。
上気短気偏痛、脈満起。斜出尻脈、絡胸脇、支心貫鬲、上肩加天突、斜下肩交十椎下。

蔵兪五十穴、府兪七十二穴、熱兪五十九穴、水兪五十七穴。
頭上五行、行五、五五二十五穴。中[月呂]両傍各五、凡十穴。
大椎上両傍各一、凡二穴。目瞳子浮白二穴。両髀厭分中二穴、犢鼻二穴、耳中多所聞二穴、眉本二穴、完骨二穴、項中央一穴、
枕骨二穴、上関二穴、大迎二穴、下関二穴、天柱二穴、巨虚上下廉四穴、
曲牙二穴、天突一穴、天府二穴、天牖二穴、扶突二穴、天窓二穴、肩解二穴、関元一穴、委陽二穴、肩貞二穴、
瘖門一穴、斉一穴、胸兪十二穴、背兪二穴、膺兪十二穴、分肉二穴、踝上横二穴、陰陽蹻四穴。
水兪在諸分。熱兪在気穴。寒熱兪在両骸厭中二穴。大禁二十五、在天府下五寸。凡三百六十五穴、鍼之所由行也。

帝曰、余已知気穴之処、遊鍼之居。願聞孫絡谿谷。亦有所応乎。
岐伯曰、孫絡三百六十五穴会、亦以応一歳。以溢奇邪、以通栄衛。
栄衛稽留、衛散栄溢、気竭血著、外為発熱、内為少気。疾写無怠、以通栄衛、見而写之、無問所会。
帝曰、善。

願聞谿谷之会也。
岐伯曰、肉之大会為谷、肉之小会為谿。
肉分之間、谿谷之会、以行栄衛、以会大気。
邪溢気壅、脈熱肉敗、栄衛不行、必将為膿、内鎖骨髄、外破大膕。留於節湊、必将為敗。
積寒留舍、栄衛不居、巻肉縮筋、肋肘不得伸。内為骨痺、外為不仁。
命曰不足、大寒留於谿谷也。谿谷三百六十五穴会、亦応一歳。其小痺淫溢、循脈往来、微鍼所及、与法相同。

帝乃辟左右而起、再拝而曰、今日発蒙解惑。蔵之金匱、不敢復出。乃蔵之金蘭之室、署曰気穴所在。
岐伯曰、孫絡之脈別経者、其血盛而当写者、亦三百六十五脈、並注於絡、伝注十二絡脈、非独十四絡脈也。内解写於中者十脈。

●この篇は、
人体における各穴位の分布を紹介するものであり、
それらの各穴位は蔵府経絡の「気」とたがい通じているので、
『気穴』論篇 となった。

「蔵兪には五十の穴位があり、府兪には七十二の穴位があり、
熱兪には五十九の穴位があり、水兪には五十七の穴位があります。
頭の上には五列の穴位があり、列ごとに五穴で、合わせて五五二十五穴となります。

天突・攅竹『鍼灸学[経穴篇]』より
天突・攅竹『鍼灸学[経穴篇]』より


【頭部前面】
天突 〈任脈〉
任脈・陰維脈の交会穴

眉本〔攅竹〕〈足の太陽膀胱経〉
由来:「攅」は集合、「竹」は眉毛を形容した言葉
別名:眉頭、員柱、始光、夜光、明光、光明




天柱『鍼灸学[経穴篇]』より
天柱『鍼灸学[経穴篇]』より



【頭部後面】
天柱〈足の太陽膀胱経〉
由来:「天」は頭、「柱」は頭を支える柱の意味。








頭部側面(10穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
頭部側面(10穴)『鍼灸学[経穴篇]』より


【頭部側面】
瘖門〔瘂門〕〈督脈〉 督脈、陽維脈の交会穴
項の中央〔風府〕〈督脈〉 督脈、陽維脈の交会穴

完骨〈足の少陽胆経〉 足太陽と少陽の交会穴
枕骨〔頭竅陰〕〈足の少陽胆経〉 足太陽と少陽の交会穴
浮白〈足の少陽胆経〉 足太陽と少陽の交会穴




耳中の多所聞〔聴宮〕〈手の太陽小腸経〉 手足の少陽、手の太陽の交会穴

大迎〈足の陽明胃経〉
曲牙〔頬車〕〈足の陽明胃経〉
下関〈足の陽明胃経〉

上関〈足の少陽胆経〉 手の少陽と足の陽明の交会穴

 

頚部(3穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
頚部(3穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【頚】

天牖〈手の少陽三焦経〉
手足の少陽、陽維脈の交会穴

扶突〈手の陽明大腸経〉

天窓〈手の太陽小腸経〉







前胸部(12穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
前胸部(12穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【胸】

☆胸兪
兪府、彧中、神蔵、霊墟、神封、歩廊〕〈いずれも足の少陰腎経〉

☆膺兪
中府〈手の太陰肺経〉
肺の募穴、手足の太陰の交会穴
雲門〈手の太陰肺経〉

周栄、胸郷、天谿、食竇〕〈いずれも足の太陰脾経〉

天府『鍼灸学[経穴篇]』より
天府『鍼灸学[経穴篇]』より

 

【腕】

天府〈手の太陰肺経〉







肩貞『新版 経絡経穴概論』より
肩貞『新版 経絡経穴概論』より

【腕】

肩貞〈手の太陽小腸経〉









腹部(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
腹部(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【腹部】

神闕〈任脈〉
闕は、門楼、楼門、楼台、宮門を指す。
本穴は神の気が通る門戸のこと。

関元〈任脈〉
足の三陰、任脈の交会穴




背部(8穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
背部(8穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【背中】

大椎の上の両側〔大椎の上の傍〕
背兪〔大抒〕〈足の太陽膀胱経〉
骨会 足の太陽経と手の太陽経の交会穴
肩解〔肩井〕〈足の少陽胆経〉
手足少陽と陽維脈の交会穴
五蔵の背兪肺兪、心兪、肝兪、脾兪、腎兪〕〈足の太陽膀胱経〉





環跳『鍼灸学[経穴篇]』より
環跳『鍼灸学[経穴篇]』より

【臀部】

両側の髀〔もも〕厭中環跳〈足の少陽胆経〉
足の太陽、足の少陽の交会穴








下腿前面(3穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
下腿前面(3穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【足 前面】

犢鼻〈足の陽明胃経〉
由来:牛の鼻孔に似ているところから

巨虚の上下の廉〈足の陽明胃経〉
上巨虚
大腸経の下合穴
下巨虚
小腸経の下合穴







下腿後面(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
下腿後面(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【足 後面】

委陽〈足の太陽膀胱経〉
三焦経の下合穴
顆上の横〔外側:附陽〕〈足の太陽膀胱経〉
陽維脈の郄穴






下腿内側(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
下腿内側(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【足 内側】

顆上の横〔内側:交信〕〈足の少陰腎経〉
陰蹻脈の郄穴
陰蹻〔照海〕〈足の少陰腎経〉
八脈交会穴 陰蹻脈と交会 陰蹻脈の発する処







下腿外側(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より
下腿外側(2穴)『鍼灸学[経穴篇]』より

【足 外側】

分肉〔陽輔〕〈足の少陽胆経〉

陽蹻〔申脈〕〈足の太陽膀胱経〉
八脈交会穴 陽蹻の生ずるところ








参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『図説 東洋医学〈基礎篇〉』 学研

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新川

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