こんにちは、為沢です。
画像は趣味で撮った淀川に架かる阪急電車・高架下の写真。
幻想的な眺望かつ、廃墟みたいだったので一枚撮ってみました。
はい。では、今回は梅核気の解説です。
最近、咽の異物感を訴える患者さんが多いので
これについて東洋医学的な解説をしようと思います。
この症状は、梅核気(ばいかくき)と言い、
咽に梅の種がつまっているかのような異物感があり
飲食物の通過には支障はないが、吐こうと思っても吐き出せず、
飲み込もうと思っても飲み込めない症状のことです。
『金匱要略』では”咽中に炙臠あるが如し”と表現されております。
西洋医学では咽頭神経症とか咽喉頭異常感症、
ヒステリー球といった名称で呼ばれている症状で
この症状の特徴は、咽喉の発赤と腫脹は伴わないことです。
なので、西洋医学の検査では「何も異常はない」と診断されるケースが多いです。
東洋医学の見解では
梅核気の多くは、情緒の不安定によって肝気が鬱結し、
気鬱から痰が生じ、痰と気が咽喉で交わり
阻滞することによって発症すると考えられております。
春は木(肝)の季節です。
春は、気温が暖かくなったり急に冷え込んだり安定しない季節で
天候の大きな変化が、体にとってはストレスになり①気滞を生じます。
また、春は雨も多くなってくるので、湿気に弱い脾も影響を受け②湿痰が生じ
①気滞と②湿痰が相まって、梅核気が形成されるわけです。
なので、春は梅核気ができやすい条件が揃っていると言えます。
主治は疎肝理気を軸にして
湿痰がきつい場合は、祛湿も組み合わせます。
参考文献:
『基礎中医学』
『症状による中医診断と治療・下巻』 燎原
『中医基礎用語辞典』 東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
為沢