五臓六腑図説 肺、大腸
肺の臓は重さ三斤、背の第三の椎に附、
そのかたちは八葉の蓮花の敷たるごとし、
三葉は前に垂、三葉は後に垂、
小葉二つ左右に垂て人の両耳のごとし、
一葉に三つづつ穴ありて二十四竅あり、
人の呼するときは、気、孔より出て肺葉虚す、
吸するときは、気、孔より入り肺実す。
諸臓の清濁陰陽の気、
此れに従いて周身に分布く、
五臓の華蓋と為す。
相伝の官にして治節を出し、諸臓の気をめぐらす。
大腸の府は重さ二斤十二両、長二丈一尺、
ひろさ四寸、径一寸、臍の下一寸、
水分の辺に当て右へ回り、畳んで積ること十六曲、
五穀を盛ること一斗、水七升半、
大腸の上の口は小腸の下の口に近し、
水穀の糟粕これより大腸へ入るなり、
伝導の官にして食物を変化し、
広腸直腸を経て肛門より大便を出す。
(鍼灸重宝記より)