自然界では、陰の極みから転化が起こる時、
動物は冬眠から目を覚まし、
植物は種子から芽を伸ばす。

一定の位置からの遠心性の動きが肝の気の正常の働きとなります。
身体の各部位で肝気が旺盛か、
そうでないかの体質の判断ができるのですが、
幾つか例をあげてみると、
面長である
長爪である
長指である
などが挙げられます。
これらの共通点に「」とありますが、
肝の遠心性の働きにより、
長く伸びる
ということが考えられます。

また、
肝の気の上へ上への性質が
つり目や逆髪、
臍が上向きなどといった
状態をつくる傾向があります。

以前、ある日を境に、足の親指の爪が前ではなく上に伸びて立体的になり、
まるでピラミッドのような爪になっている人の話を聞いたことがあります。
詳しくはお伺いできなかったのですが、
食べる飲むわの過食生活が数ヶ月も続いていると聞きました。
母趾は経絡では肝脾が大きく関わっています。
暴飲暴食だけでは判断できないですが、
何らかの環境の変化により肝脾のバランスが崩れ、
肝気に影響を及ぼした結果が、
爪が上へ伸びたものと考えられます。

また、僕自身も肝気の影響を受けやすい傾向があるので、
この時期は非常に注意しなくてはなりません。
というのも、つい先日、
体調を崩してしまいました(^_^;)
珍しく朝から10分ほど熱めの湯船に浸かったのが事の始まりでした。
その後、仕事へ行ったのですが、何かがおかしい…  (゜Д゜)
足元がフワフワ、頭がフラフラすると思っていたら、
涕(鼻水)が止まらなくなりました。
更にその晩、妙にお腹が空き
何かいつもと違うと思いながらも、
ついつい食べ過ぎてしまい、
そして翌日、発熱。
側頭部痛・腰背部痛・膝関節痛
側胸部の拒按に襲われました。


このとき体に何が起こったのか考察してみたいと思います。
まず、朝の入浴で無理矢理に気血を上昇させてしまい、
上実下虚の状態になったと考えられます。
その症状として、
頭・足元のフラフラ・フワフワ感と涕。
いつも以上に食べ過ぎてしまった原因は、
胃熱により食欲が旺盛になってしまった。
よって、過食し多くの内湿を発生させる原因をつくった。
平素より過食気味という背景が有り (ーー;) )
結果として湿は化火して発熱。
その時撮った舌の写真が ↓こちらになります。
(色合いが違い、わかりにくくてすみません。今回は苔の色と量の変化をみて下さい)

 

左に見える画像は 3/19(火)晩、フラフラになりながら携帯電話で撮った写真です。
舌の真ん中を中心に厚みのある黄膩苔が、
更に、脈は数滑湿熱が関与していると考えられます。
症状である側頭部痛や側胸部の拒按などから肝胆に湿熱が停滞しているものと考えられます。
翌日は家で安静にしており、
右に見える画像は3/21(木)の朝撮ったものになります。
苔の量が減っております(^o^)


今回は、日頃から溜め込んだ内湿が化火し、
湿熱が肝胆で炎上したものと考えられます。
自身の見立てとして、脾胃の湿熱とみて、
三里で消火しようとしたのですが、
沈火できませんでした。
先生に外関・足臨泣にて処置して頂いた後、
症状は半減し、明らかに熱は引いておりました。

湿邪をガソリンとするなら、
何かの拍子で引火する可能性があります。
今回に関しては入浴という行為が着火の原因となったのではないかと考えました。

繰り返しになりますが肝気が上昇しやすいこの時期、
注意が必要ですので気を付けなければなりません。
養生致します。


本多

5 コメント

  1. 自身の経験も研究材料にするとは・・さすがプロ集団?!
    というか、院長はじめ皆さん若いのに年配方の心身共の生活指導までされる?出来る?ことに驚いているので・・
    実体験は嬉しい修行でしょうか!!
    て、その辛さを他人事とおもってますね。すいません(。-_-。)
    「三里で消化しよう・・・沈下できず」の三里とは何の事ですしょうか?
    いつも私には殆んど不明な東洋医学の言葉ばかりですが・・
    三里に関しては何か分かりそうな気がするのに解らない(^^;;
    そんなんで(p_-) 知りたいと思ってます。お時間のある時にでもm(._.)m。

    • もーちゃんさん、コメントいつもありがとうございます♪
      自分の体を診るにあたって、良くなるも悪くなるも、
      変化が分かりやすいのでとても良い勉強になりますね!
      ただ、自分の事だからこそみえない部分が多くあるので、
      客観視しなければならないのですが、まだまだです……
      三里のことですが、
      膝の少し下に「足三里」という経穴があるんです。
      その経穴を使用して、熱をとろうと試みたということでして、
      発熱を火事に例えて消火や沈火と書いただけなんですよ(*^_^*)

  2. お返事ありがとうございます。
    「三里」が何処かの経穴だろうなあとは思っていたし、発熱を火事に例えられていることも理解できてましたよ。さすがに毎日チェックしてると、その程度は解ってくるようですσ^_^;
    私の舌も治療へ通い始めは黄白色の苔が多くあり・・今もしんどいなあと感じると舌が気になります。
    朝、寝起きが一番いい色でプルンと可愛いですね(o^^o)。ただ、短時間の睡眠時間で起きてしまうので・・もっと寝たいです(~_~;)
    う〜ん、自分の事を客観視する! とても大事だけどなかなか難しいですね。

  3. 本多さん、大変でしたね。回復されてよかったです。
    朝の入浴を足浴にしてたら違った結果になったのでしょうか。
    三里にシカトされたのは診立てが違ってたのですか?
    実体験レポートは面白いですね。
    私は以前、おトイレでがんばらないといけなかった時に(^^;)
    手持ち無沙汰だったので、合谷から応援を送ってみたら、届いたような気がしました。
    経穴の使い方違ってますか。
    そうですか・・・(恥)

    • tatsukyonさん、コメント頂きありがとうございます☆彡
      足浴であっても、体内に熱を加えてしまうので
      結果としては同じ結果となっていたのではないでしょうか。
      三里さんかなと思いましたが、
      「私じゃないよ」と通り過ぎたようです。
      診立て違いだったため、人違いならぬ、ツボ違いでした(゜_゜)
      まだまだ考えが浅いんですね。
      合谷は大腸経の原穴と言いまして大腸の気が集まるツボです。
      tatsukyonさんがその時、どんな状態だったかは把握できませんが
      大腸に働きが届いたのは確かでしょうね。
      なので、間違いではないと思いますよ〜(^_^)

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