下積み修行中の冠木のお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参ります。
どうか見守り 応援してやって下さい。


こんにちは、冠木です。
先日、家のリビングで袋を発見しました。
その袋には、【桔梗湯】と書いてありました。

桔梗湯に含まれる漢方は、『甘草』と『桔梗』です。
咳・痰・喉の腫れ・肺癰時に使用される。
父親が日中や夜中も痰を含む酷い咳をしていたため、
病院で処方されたものと考えられます。

 

『金匱要略』では桔梗湯を肺癰に用いている。
「咳して胸満し、振寒し脈は数,喉乾き渇せず,時に濁唾腥臭を出だし,
久久に膿の米粥のごときを吐すは,肺癰たり,桔梗湯これを主る」とあり、
排膿祛痰の桔梗と清熱解毒の生甘草を組み合わせて対処している。

肺癰:
肺葉に瘡が生じ、潰瘍が形成され、膿血を喀出する。
症状は、咳嗽・胸部の疼痛・発熱・悪寒・生臭い膿性の粘稠痰を吐き出すなどがある。
この主要原因は風邪熱毒の外感である。

 


【甘草】(かんぞう)

 

甘草
甘草

[処方用名]
甘草・生甘草・生草・粉甘草・炙甘草・炙草・甘草梢

[基原]
マメ科のウラルカンゾウ、またはその他同属植物の根およびストロン

[性味]
甘・平

[帰経]
十二経

[効能と応用]
●補中益気
脾胃虚弱の元気がない・無力感・食欲不振・泥状便などの症候に、
人参・黄耆・白朮・茯苓などと用いる。

●潤肺・祛痰止咳
風寒の咳嗽には、杏仁・蘇葉・などと用いる。
風熱の咳嗽には、桔梗・前胡・牛蒡子・桑葉などと用いる。
寒痰の咳嗽には、乾姜・細辛・五味子などと用いる。
熱痰の咳嗽には、栝楼・貝母・黄芩・桑白皮などと用いる。

●緩急止痛
腹痛・四肢の痙攣痛に、白芍などと用いる。

●清熱解毒
咽喉の腫脹・疼痛に、桔梗などと用いる。
癰腫瘡毒(皮膚化膿症)に、金銀花・連翹などと用いる。

●調和薬性
方剤に配合し、性質の異なる薬物を調和させたり、
薬物の変性や毒性を軽減したり、薬力を緩和にしたりする。

[収穫時期]
春・秋 種子をまいて4〜5年で収穫

[甘草の種類]
中国の甘草は東北甘草・西北甘草・新彊甘草の三つに分けられている。
八十年代までの教科書には、
●東北甘草がウラルカンゾウ:G.uralensis Fisch.

●西北甘草は推定スペインカンゾウ:G.glabra

●新彊甘草:G.inflata Batal.
ではなかろうかと、言われていた。

最近の中国側の調査では、ウラルカンゾウはシベリア東南部から、
新彊に至る広い範囲に分布しており、
東北甘草と西北甘草の基原がいずれもウラルカンゾウ、
新彊甘草は大部分がウラルカンゾウで、
glabra種(スペインカンゾウ)をはじめ五・六種の同属植物が混在しているということである。
glabra種は新彊からロシア南部・キルギスタン・カザフスタン・イラン・トルコに至る、
広い範囲に広がっている植物で、いくつかの変種に分けられる。

[東北甘草と西北甘草の違い]
常識的には東北甘草は甘味が強く、
西北甘草は苦味が混じるという違いがある。

東北甘草の主産地は内蒙古東部の大興安嶺の南部にあたる。
黒竜江、遼河、黄河などの流域にあり、水は海に流れ込む。
濁った水ではあるが、塩分は少ない。

西北甘草の主産地はあまりはっきりしないが、
北京の真北あたりから西の内蒙古、陰山山脈の北側、
甘粛省北部のゴビ砂漠が含まれる。
内陸湖が多く、水は海に流れず塩分やアルカリ分の多い地域にあたる。


【桔梗】(ききょう)

桔梗
桔梗

 

[処方用名]
桔梗・苦桔梗・白桔梗・玉桔梗

[基原]
キキョウ科のキキョウの根

[性味]
苦・辛・平

[帰経]

[効能と応用]
●宣肺祛痰
外邪犯肺の咳嗽・喀痰などに用いる。
風寒の咳嗽・希薄な痰・鼻閉・鼻みずなどには、
蘇葉・杏仁・半夏・生姜などと用いる。
風寒の咳嗽・粘稠な痰には、桑葉・枇杷葉・杏仁・薄荷などと用いる。
肺気不宣の咽喉の腫脹疼痛・嗄声などには、牛蒡子・生甘草などと用いる。

●排膿消腫
肺癰(肺化膿症など)の胸痛・膿血痰などに、
薏苡仁・魚腥草・冬瓜仁などと用いる。

桔梗は肺経気分薬で、肺気を開提し胸膈を開宣し、咽喉を利し祛痰止咳に働き、
外邪犯肺による咳嗽・喀痰・鼻閉・胸悶・咽喉腫痛・失音などに、
寒熱を問わず用いることができる。
また、排膿消腫に長じ、肺癰吐膿・癰疽腫毒にも使用出来る。

[分布場所]
北海道西南部から沖縄に至るほぼ日本全土、
朝鮮半島、中国のほぼ全土にまで広がる。

[収穫時期]
春・秋

[栽培方法と楽しみ方]

水はけ、日当たりのよい肥沃な土壌がよく、
春の種子繁殖または株分けによって繁殖する。
多年生で長年にわたって花を楽しめる。
秋の七草に一つであるが、暖地では6月頃から咲き始める。
そして、主に日本では観賞用の切り花用、
韓国ではトラジといい、キムチにしたり、あえ物・揚げ物などの食用、
中国では薬草のために栽培されている。

 


参考文献:
『中医臨床のための中薬学』
『中医臨床のための方剤学』 神戸中医学研究会
『読みもの 漢方生薬学』 たにぐち書店
『薬膳 素材辞典』 源草社
『pen+ 日本で独自に発展した文化 漢方とは何か?』 阪急コミュニケーションズ

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

冠木

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