こんにちは下野です。
早速ですが下の画像、今月26日に開業するグランフロント大阪のポイントカードです。

グランフロント大阪 ポイントカード
グランフロント大阪 ポイントカード

いつも色んなお店でポイントカードを貰うのですが、
ポイントを貯めるだけためて、結局使うのを忘れてしまうことがほとんどで、
その度に「無駄なカードは貰わない」と決めているのですが
結局またカードを作ってしまいました・・・

学習能力がないと言うか、なんと言うか・・・
ただこのブログに書いた以上、有効期限など規約をしっかりと読み、
有効に活用できるようにしたいですね!

では久しぶりの『難経』の記事になります。


【原文】
四十九難曰、有正経自病、有五邪所傷、何以別之。

然。
憂愁思慮則傷心、形寒飲冷則傷肺、恚怒気逆、上而不下則傷肝、
飲食労倦則傷脾、久坐湿地、強力入水則傷腎。是正経之自病也。

何謂五邪。

然。
有中風、有傷暑、有飲食労倦、有傷寒、有中湿、此之謂五邪。

仮令心病、何以知中風得之。

然。
其色当赤。何以言之。
肝主色、自入為青、入心為赤、入脾為黄、入肺為白、入腎為黒。
肝為心邪、故知当赤色。其病身熱、脇下満痛、其脈浮大而弦。

何以知傷暑得之。

然。
当悪臭。何以言之。
心主臭。自入為焦臭、入脾為香臭、入肝為臊臭、入腎為腐臭、
入肺為腥臭。故知心病傷暑得之当悪臭。
其病身熱而煩、心痛、其脈浮大而散。

何以知飲食労倦得之。

然。
当喜苦味也、虚為不欲食、実為欲食。何以言之。
脾主味、入肝為酸、入心為苦、入肺為辛、入腎為鹹、
自入為甘、故知脾邪入心、為喜苦味也。
其病身熱而体重嗜臥、四肢不収、其脈浮大而緩。

何以知傷寒得之。

然。
当譫言妄語。何以言之。肺主声、入肝為呼、入心為言、入脾為歌、
入腎為呻、自入為哭。
故知肺邪入心為譫言妄語也。其病身熱、洒洒悪寒、甚則喘咳、其脈浮大而渋。

何以知中湿得之。

然。
当喜汗出不可止。何以言之。腎主湿。
入肝為泣、入心為汗、入脾為涎、入肺為涕、自入為唾。
故知腎邪入心為汗出不可止也。其病身熱而小腹痛、足脛寒而逆、其脈沈濡而大。
此五邪之法也。


【現代語訳】
五臓の疾病には
正経が自ら病む場合と、五邪に傷められて病む場合とがあるが
どのように診分ければ良いのか。

答え。
憂愁思慮が過度になると心が傷害される。
身体が外からは寒冷によって、内からは冷飲によって
冷えてしまうと肺が傷害される。
怒り、気が上逆したままであると肝が傷害される。
暴飲暴食、過労になると脾が傷害される。
長い間 湿度の高い場所にいたり、激しい労働後に
水に入ってしまうと腎が傷害される。
以上が正経が自ら病む場合である。

では、五邪とは何なのか。

答え。
風に傷つけられるもの、暑に傷つけられるもの、飲食・労倦に傷つけられるもの、
寒に傷つけられるもの、湿に傷つけられるもの。
これら病邪を五邪とする。

もし心経の病を例に挙げると、
心の病が風に傷られて発病したことを、
どうやって知ることが出来るのか。

答え。
それは色が赤くなっていることで知ることが出来る。
それはなぜかと言うと、
風は肝と同じ木性なので 肝が主っている五色を診ればわかる。
肝を犯すと青色を呈し、心を犯せば赤色、脾を犯せば黄色、
肺を犯せば白色、腎を犯せば黒色となり、
肝病が心に及んだ為 赤色が現れるのである。
また、その病の身熱は心病に属し、
脇下満痛は肝病に属しており、脈が浮・大で弦の場合、
浮・大は心に、弦は肝に属している。

心の病が暑に傷られて発病したことを、
どうやって知ることが出来るのか。

答え。
それは臭いを嫌がることで知ることが出来る。
それはなぜかと言うと、心は臭いを主っており、
暑邪が心を犯すと焦げ臭くなり、
脾を犯すと香臭、肝を犯せば臊臭、腎を犯せば腐臭、
肺を犯せば腥臭となる。
心の病が暑に傷られた場合は、焦臭を嫌うようになる。
その症状は身熱に苦しみ、心臓が痛む。
脈は浮・大で散であるものは、全て心病に属する。

心の病が飲食不摂生や過度の労倦によって
発病したことを知ることが出来るのか。

答え。
苦い物を好むことによってわかる。
虚証では食欲がなくなり、実証では逆に食欲が増す。
それはなぜかと言うと、脾は五味を主っており、
飲食・労倦が肝を犯せば酸味を、
心を犯せば苦味を、肺を犯せば辛味を、
腎を犯せば鹹味を、自身を犯すと甘味を好む。
このように、脾の病が心に及ぶと苦味を好むようになる。
その病は、身熱し体が重く、横になることを好み
手足に力が入らなくなり、脈は浮・大で緩を呈す。

心の病が寒邪に傷られて起こったことは、
どの様にしてわかるのか。

答え。
譫語妄語を言ったり、意味のわからない言ったりするようになる。
その理由は、肺は五声を主っているためである。
寒邪が肝を犯すと呼び、心を犯すと言り、
脾を犯すと歌い、腎を犯すと呻き、肺自身を犯すと哭く。
このように肺の病が心に及ぶと、譫語妄語を言うようになる。
その病は身熱し、ぞくぞく悪寒し、甚だしい時は喘咳を伴い、
脈は浮・大で渋を呈す。

心の病が湿に傷られて起こったことは、
どの様にしてわかるのか。

答え。
汗が出て止まらなくなることによってわかる。
その理由は、腎は五液を主っているためである。
湿邪が肝を犯すと泣が出て、心を犯すと汗が、
脾を犯すと涎が、肺を犯すと涕が、腎自身を犯すと唾が出る。
このように腎の病が心に及ぶと、汗が出て止まらなくなるのである。
その病は身熱し、下腹部が痛み、足の脛が
逆し、
脈は沈・濡で大を呈す。

これらが、五邪が病を引き起こした際の診断方法である。


【解説】
当難では、五臓の疾病の中の
正経が自ら病むものと、五邪に犯されて発病するものとの
診断方法を取り上げている。

「正経自病」
病邪が直接に、その対応する五臓を犯して発症するもの。
または、五臓の働きが過度となり発症するものを意味している。

憂愁思慮則傷心:心は神明(精神・意識・思維)を主宰しており、憂愁思慮など精神情緒が過度になると、
心が傷られて病変を引き起こす。

形寒飲冷則傷肺:『黄帝内経 素問』咳論篇に
「皮毛先受邪気、邪気以従其合也。其寒飲食入胃、従肺脈上、至於肺則肺寒、肺寒則外内合邪、因而客之、則為肺咳。」
(「皮毛が外邪を受けると、邪気は肺に影響し、冷い飲食物を取れば、寒気は胃から肺脈に沿って肺に上行する。」)と記載されている。

恚怒気逆、上而不下則傷肝:肝の性質はのびやかで、情志では怒りと関係する。もし、怒りが過度になると、肝気は抑圧され鬱々とし、ついには肝が傷められる。

飲食労倦則傷脾:脾は運化を主っているので、暴飲暴食は脾を傷り、運化機能を失調させる。
また脾は肌肉・四肢を主っているため、過度の労働も脾を傷める。

久坐湿地、強力入水則傷腎:腎は精力の源であるが、過度に労力を使ったり、水中や水湿の地に坐っていれば腎を傷めることとなる。

●「五邪所傷」
邪が流動的に諸経を傷るということを意味している。

当難では心病を例に挙げている。
現代語訳を参照して頂くと分かると思うが、
どのような病邪に引き起こされても、共通となる症状・所見があり、
心病の場合であれば身熱脈象の大である。

ただ、それぞれの病因によって、
同じ心病であってもそれぞれ特徴と兼証の相違があり、
そこを見極める事が大切である。


<参考文献>
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『難経解説』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経素問 中巻』 東洋学術出版社

画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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