下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


九鍼十二原篇 第一


【原文】
九鍼之名,各不同形,一曰鑱鍼,長一寸六分.
二曰員鍼,長一寸六分.
三曰鍉鍼,長三寸半.
四曰鋒鍼,長一寸六分.
五曰鈹鍼,長四寸,広二分半.
六曰員利鍼,長一寸六分.
七曰毫鍼,長三寸六分.
八曰長鍼,長七寸.
九曰大鍼,長四寸.
鑱鍼者,頭大末鋭,去写陽気.
員鍼者,鍼如卵形.
揩摩分間,不得傷肌肉,以写分気.
鍉鍼者,鋒如黍粟之鋭,主按脈勿陥.
以致其気.
鋒鍼者,刃三隅,以発痼疾.
鈹鍼者.末如鍼鋒,以取大膿.
員利鍼者,大如氂.
且員且鋭,中身微大,以取暴気.
毫鍼者,尖如蚊虻喙,静以除往,微以久留之而養,以取痛痺.
長鍼者,鋒利身薄,可以取痛痺.
大鍼者,尖如梃,其鋒微員,以写機関之水也.
九鍼畢矣.


【和訓】 〜『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』 東洋学術出版社より〜

九鍼の名、各おの形を同じくせず、
一に曰く、鑱鍼、長さ一寸六分。
二に曰く、鑱鍼、長さ一寸六分。
三に曰く、鍉鍼、長さ三寸半。
四に曰く、鋒鍼長さ一寸六分。
五に曰く、鈹鍼長さ四寸、広さ二分半。
六に曰く、員利鍼、長さ一寸六分。
七に曰く、毫鍼、長さ三寸六分。
八に曰く、長鍼、長さ七寸。
九に曰く、大鍼、長さ四寸。
鑱鍼なる者は、頭は大にして末は鋭く、陽気を去り写す。
員鍼なる者は、鍼は卵形の如し。
分間を揩摩し、肌肉を傷るを得ず、以て分気を写す。
鍉鍼なる者は、鋒は黍粟の鋭の如く、脈を按ずるを主り、陥いらしむることなかれ。
以て痼疾を発す。
鈹鍼なる者は、末は剣鋒の如く、以て大膿を取る。
員利鍼なる者は、大なること氂の如し。
且つ員且鋭、中身は微かに大にして、以て暴気を取る。
毫鍼なる者は、尖は蚊虻の喙の如く、静かにして以て除ろに往き、微にして以て久しくこれを留めて養い、以て痺を取る。
長鍼なる者は、鋒は利く身は薄くして、以て遠痺を取るべし。
大鍼なる者は、尖は梃の如く、其の鋒は微員にして、以て機関の水を写すなり。
九鍼畢り。


【提要】九鍼についてまとめました。

治療に用いる針は九種類あり九鍼という。
その名と形状はみな異なっています。

1,鑱鍼 (ざんしん)

鑱鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
鑱鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ一寸六部。(約3.6cm、1寸=2.25cmとする)
鍼頭が大きく、鍼尖が鋭利で矢尻(矢の突き刺さる部分)に似ており
浅く刺して皮膚の表面(体表)にある邪熱(陽気(熱))を瀉すのに用いる。
鍼尖が鋭いことから鑱鍼と名付けられた。

2,員鍼 (えんしん)【円鍼・圓鍼】

員鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
員鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ一寸六分。(約3.6cm)
鍼尖が卵のように丸くこれで皮膚を抑えさすることで
分肉の間(浅いところにある肉の割れ目)にある疾病の治療をする。
肌肉を損傷することなく分肉の間の邪気を瀉すことができる。
刺入せず皮膚に接触刺激を与えるものである。

3,鍉鍼 (ていしん)

鍉鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
鍉鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ三寸半。(約7.9cm)
鍼尖が稗や粟の実のように粟粒状になって少し尖っている。
皮膚に刺入することなく経脈を按じて気血を流通させる。
按じる時は正気を傷つけてはいけないので肌肉を強く抑えてはならない。

4,鋒鍼 (ほうしん)【三稜鍼】

鋒鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
鋒鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ一寸六分。(約3.6cm)
鍼尖が矛のように鋭利で、筒状から先が鋒で刃三隅なので三ツ目錐(三稜)と呼ばれる。
頑固な疾患(慢性疾患)の時に刺絡・瀉血に使う。

5,鈹鍼 (はしん・ひしん)

鈹鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
鈹鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ四寸、幅二分半。
鍼尖が剣峰のようになっているおり、癰などを切開して膿を排除する。
※大癰膿の切開・排膿は外科の範疇であり、鍼灸臨床では行われていない。

6,員利(圓利)鍼 (えんりしん)

員利鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
員利鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ一寸六分。(約3.4cm)
形状は牛の尾のようで、鍼先は丸く鋭く、鍼の中ほどはやや太めになっている。
急性の病癰瘍やしびれを取る際にもちいられる。
また、癰の治療の時は鈹鍼で小さいものは員利鍼で治療する。

7,毫鍼 (ごうしん)

毫鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
毫鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ三寸六分。(約8.1cm)
鍼尖がきわめて細く蚊や虻の喙(口先)のようになっていて、
静かに緩やかに刺入し、鍼身が細いので置鍼して気を補うことができ
痛痺を治療するのに用いる。
材料には金または銀の合金やステンレス網が用いられている。
近年では、感染防止のため使い捨てのステンレスのディスポーザブル鍼が
主に利用されている。

8,長鍼 (ちょうしん)

長鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
長鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ七寸。(15.8cm)
鍼尖が矛のように鋭く、鍼身は細くて薄く、深部にある慢性の痺邪をとるのに用いる。

9,大鍼 (だいしん)

大鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』
大鍼『鍼灸医学事典 医道の日本社』

長さ四寸。(約9cm)
鍼尖が尖って鍼身はやや太く、杖のような形をしており、先端は微かにまるい。
関節に水がたまり腫れているところを瀉すのに用いる。


参考文献:
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』 東洋学術出版社
『霊枢』 たにぐち書店
『鍼灸医学大辞典』医歯薬出版株式会社
『鍼灸医学事典』 医道の日本社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は

是非参考文献を読んでみて下さい。

木村

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