右があって左がある。
右をあて、それを左が支え、
左が踊り、右が忍ぶ。
右左右…
右左右右左でもいい…
韻を踏みながら刀は踊る。
左右が溶け込み、手足が溶け込み、
我と彼の境界線がなくなるときに
刀は自由によく舞う。
それをして僕は一時の許しを受ける。
刀とはもちろん、いうまでもなく鍼。
僕がこの世からいなくなっても
その律動はいつまでも流れ続ける気がする。
書いていてまた、身体のうちのどこかが開く感覚があります。
これもまた、名状し難し。
鍼師 林