【カテゴリ】鍼灸師である
【タイトル】これからのビジョン
【相談日時】2013/01/22
【相談内容】以下に続く。

 

 

只今、整骨院の分院長を任されている36歳の柔整鍼灸師です。
最近、揉み屋さん化している整骨院、
そして患者さんの痛みをマッサージのみで対応する限界を感じてきました。
たまに外部の鍼灸セミナーに参加したりしますが、
患者さんに効かせることが出来ず、

鍼灸とは疎遠になってしまう始末です。このままでは、
痛みを軽減出来なくて患者さんが逃げていく、
そして自分自身が治療家として揉み屋さんの状況に満足してしまいそうです。
何から始めれば良いですか?よろしくお願いします。

〜Tさんより〜

 

 


【回答】

林 / 顔

「なにから始めるかというのは、治せる鍼師になりたいという認識で結構でしょうか?
その前提で話すとすると、
鍼だけで治す現場を見る、目に焼き付けるのが
最善ではないでしょうか。
これまでの例を見ておりますと、
長らく柔道整復師として患者に対してきた者が、多少学問を修めたとしても、
現場での思考がやはり柔道整復師としての思考になってしまいます。
それを上書きする必要があります。
場合によっては白紙(この業界にはじめて入る方)よりも
その道は困難なのかも知れません。
ゆえに、勉強をするより前、またはそれと同時に
現場に触れて身体や頭が反応するように毎日訓練するのです。
現場漬けということですね。
一つの意見としてお納め下さい。
接骨院の方と言う事で、僕らとは立場が異なるかも知れませんが、
内容から職業人としての誠実な悩みを感じました。
応援しています。」

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為沢
為沢

「御相談内容、拝見させて頂きました。
整骨院の分院長をされているとのことで、
なかなか修行に出る時間がないと思われます。
効かないとはいえ、目の前の患者さんを治すことに
ガムシャラになってでも施術すべきではと思いますが
どうしても今の知識で補えない場合は、
外へ勉強会に参加するなど必要になってきます。

様々な勉強会へ参加されるのは結構なのですが
講義する内容や見解も様々で
初学者の方はそれぞれのいいとこ取りをしようと
講義の内容を熱心にメモをとる方が多いです。
しかし、結局自分の中に軸がないために、
あっちでは○と言っているのに、こっちでは×と言っていて
ブレブレで何が何やら分からなくなってきます。
そこで、全ての情報を鵜呑みに信じるのではなく
情報を振るいにかける、つまり自ら実践・検証して
自ら体感することを大事にして頂きたいです。

大まかに語らせて頂きましたが、これは一つの例であって
外に教えを乞う きっかけや順序はほんと何でも良いんです。
本の著者に興味を持って、その人の治療所に行ってみたり、
近所で流行っている鍼灸院を受けてみて話を聞いてみたり。

Tさんが本当に鍼灸に心血注ぐ覚悟があるのならば
これから毎日24時間、鍼のことを中心に考えて行動してみて下さい。」

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下野
下野

「僕は鍼灸師ですので、
柔整の話は抜きにして意見させて頂きます。

Tさんは勿論 分かっておられるかと思いますが、
”鍼灸”と一言で言えど様々です。
病治しの鍼灸か、またその中でも東洋の理論によるものなのか、
それとも西洋の理論によるものなのか。
将又、病治しより慰安を目的とした鍼灸なのか。
慰安は論外として、もし 病治しをしたいのであれば、
術は勿論ですが、学(理論)がないと治せないと思います。
僕の知人の鍼灸師も○○式治療法、□□鍼灸法などという
毎回異なるセミナーに参加し、
そのつど 臨床で使えない、結局はマッサージになる等、
Tさんと同様の事を話していますが、
僕はそれは当たり前だと思っています。
見様見真似で治せるほど鍼灸は簡単ではないですし、
鍼灸に限らず何事にも、基礎となる土台がなければ何も始まらないと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、
もしTさんが、病治しの鍼灸を志すのであれば、
先ずはご自身の体で治療を受けたり、現場をみたり、
気になる勉強会に何度か足を運んだり、
一度 ご自身の今までのキャリアを捨て去って
どっぷりとその治療方法に浸かってみることが大切かと思います。
それからそこで治療の学、そして術を磨くようにすれば良いのではないでしょうか。」

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新川
新川

「以前、同じ悩みを抱いていた者として記させて頂きます。
鍼灸学校に入りたての頃、
まだ右も左も分からない状態でしたが、
とある鍼灸整骨院さんで働かせて頂いておりました。
その時の施術が、自分の理想としていたものとあまりにかけ離れていたので、
在学中からセミナーへ潜り込んだり、
人づてに聞いた治療所にて施術を受けたりして、
理想と現実の隙間を埋めるべく過ごしておりました。
最終的に一鍼堂(院長)の流儀に魅力を感じ、門を叩いた次第です。
自分が納得するものや理想とするものと出会う事はなかなか難しいかもしれませんが、
その道に対して進み続けることしかないのかなと思います。」
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本多
本多

相談に答えられるような立場ではないですが、
返答させて頂き、少しでも参考になればと思います。
まず、「マッサージのみで対応するのが限界」というのは、
色々と解釈の仕方があると思うのですが、
例えば、手技の幅に限界があるのならそれを広げるよう講習会などに参加する。
体力的に問題があるのなら日常のトレーニングで補う。
などが挙げられます。
また、相談の最後に、
「治療家として、揉み屋として満足してしまいそう」
という言葉がみられるのですが、
これは、マッサージでなく鍼灸一本でやっていきたいのか、
あるいはマッサージと一緒に鍼灸もやっていきたいのかにより返答が異なりますが、
鍼灸一本でやっていきたいのなら学びたいと思う師を見つけるのが理想ではないでしょうか。
どちらにせよ勉強会などに行き知識と技術を身に付けた方が良いかとは思います。
ただ、現在の院長という立場がありますので簡単に事は進まないとは思いますが、
良い方向に向かうよう願っています。
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木村
木村

整骨院は揉み屋さんというイメージが年々強くなってきていると思うのですが
私は決して整骨院=揉み屋さんではないと思っています。
それは鍼灸界でも同様であると考えており、ただ痛いところに鍼を刺し
電気を流している鍼灸院もあれば
東洋医学の理論や技術を基に
施術を施している鍼灸院など様々であると思うからです。
簡単に痛みといってもとらえ方や
改善に至るまでのアプローチの仕方などは
院によっても異なってますし
鍼灸でないと痛みは絶対に取れない
改善しないとも言い切れません。
又、整骨院でも揉み屋さんではなく
様々な理論や技術を基に日々患者さんと
向き合っている柔整師さんも少なくはないのではと思います。
鍼灸でも、マッサージでも・またはそれ以外の手法でも
ご自身が何を目指し今の状況から抜け出すかを考え
興味深いと思えることに、一つ徹底的に向き合ってみてはいかがでしょうか。

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宮村
宮村

自分は今、鍼灸学科の二年生ですが、学校に入る前に一年程整骨院で働いてから
鍼灸科に行くことを決めました。
私が以前働いていた整骨院も同じ様な揉み屋さんに近い形でした。
確かに集客や回転率を考えると効率がいいかもしれませんが、
私は患者さまにとっては本当に何がいいのかわからなくなってました。
(整骨院のひとつの形としてはありだと思いますが)
入学する際に柔整師か鍼灸師かで悩みましたが、鍼灸の方が患者さまに様々な
アプローチができると思い鍼灸にしました。
もう分院の院長をされているということなので今から院のスタイルを変えるの
はなかなか難しいと思いますが、がんばってください。
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大原
大原

私は鍼灸の学生で、まだまだ分からないことばかりなので、
「どうすれば患者さんに鍼を効かすことができるのか」を勉強中です。
色々な種類の鍼灸の勉強会に参加したり、
色々な先生方から治療を受けたりして、
自分が一番納得できる先生の考えを学ぼうと思い、今に至っている次第です。
ですので、色々な勉強会や治療を受けてみることが一番かと私は思います。

現場での勉強は、学校やセミナーの勉強とは全く異なると感じます。
Tさんは、すでにご活躍されているご様子ですので、
考えようによっては、今の現場の中で、
ご自身が今後目指していきたい鍼灸の考え方を試す機会を持ちやすく、
実践から、新しい治療方法を習得しやすいのではないでしょうか。

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