どうも、新川です。
今回も古本屋シリーズ(?)です。
●『世界の車窓から あこがれの鉄道旅行 Vol.1 』
なんせ綺麗な写真が盛り沢山でして、
『読む』というより、『見る』一冊となっております。
なかでも、
スペイン・バルセロナから、南仏への列車の章がお気に入りです。
青い空、情熱的な人々、
赤みがかった鮮やかな大地の中に広がるぶどう畑。
北陸生まれのせいか、地中海性気候への憧れが止まりません☆
ディレクター日誌なるものもあり、
現地で撮影した際の裏話や、
現地の人々との出会いなどが
綴られております。
こういう空気感を感じられるものっていいです。
今回は、長刺節論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。
【長刺節論篇 五十五】
鍼術に精通した医家は、脈診をする前に病人の訴えを聞こうとする。
【頭痛】
病が頭部にあって頭痛がひどいときには、
鍼でこれを刺してよく、鍼刺が骨部に及べば治癒しうる。
ただその浅深は適当であるべきで、
骨肉と皮を傷つけてはいけない。
皮膚は鍼が出入りする道である。
【寒熱】
陽刺の手法は、中央にまっすぐ一度鍼を入れ、
左右に四度斜めに刺すのであり、
寒熱の疾患を治すことができる。
病邪が深く入って専ら五蔵を攻めているときには、
五蔵を鍼刺すべきである。
邪気が五蔵に迫り近づいているので、
背部を刺すべきなのである。
背部とは背部の五蔵の兪穴を指す。
邪気が蔵に迫って背兪を鍼刺するのは、
背兪が蔵気の集まり会する所だからである。
鍼刺して腹中の寒熱が去ればやめる。
注意すべきは、抜鍼時に少しその血を出すことである。
【膿腫】
膿腫を治療するときには、腐って軟らかくなった部位に刺す必要があり、
癰の大小深浅を観察して刺す。
大きな膿腫を刺すときには、必ず膿血が多く〔あるべきで〕、
深部の小さな膿腫は、必ず深く刺し、鍼をまっすぐ持ってから刺し、
一定の深度に達したら止める。
【積聚】
下腹部に積聚のある疾病は、
腹部の皮肉の厚いところ以下を刺し、
下腹部に到って止めるべきである。
さらに第四椎間両側の経穴と骼骨両側の居髎穴を鍼刺し、
季脇肋間などの穴位に及び、
腹中の熱気を導き引いて下行させれば、
積聚は消散し、疾病は癒える。
居髎〔足の少陽胆経〕
取穴部位:維道穴から環跳穴に向かい下三寸に取る
もしくは維道の外下方で殿部、上前腸骨棘と大転子頂点の中点
【疝】
下腹部に病があって腹部が疼痛し、
大小便できなくなるものは、その病を疝と名づける。
寒冷を受けたことが原因である。
下腹部の両側と太股の内側の関係する部分を鍼刺し、
更に腰と髁骨の間を刺す。
数穴に渉って多く刺して、下腹部に熱感が生じて寒気が散じたら、
病は癒える。
【筋痺】
病が筋にあって、四肢がかがまりよじれ、
関節が痛んで行動することができない病の名を筋痺という。
病が筋に在るので、先ず痛む筋の上に鍼刺する。
筋は肌肉が集まり会する場所にあって、
骨と互いに連なっているので、鍼刺時にはその骨を刺傷しないよう注意すべきである。
病がある筋に熱感を覚えるようになれば、
疾病の好転を示しているのであり、
病癒えれば鍼刺を止める。
【肌痺】
病が肌膚にあり、
皮膚と肌肉のすべてが痛むのを肌痺とよぶ。
これは寒湿の侵犯を受けたのである。
大分肉と小分肉の中間の穴道を鍼刺するが、鍼刺は深く、
あちこちに多く刺し、局部に熱感が生ずれば止める。
筋骨を損傷してはならない。
もし筋骨を損傷すれば、癰腫その他の病変を生じてしまう。
もし鍼刺時に大分小分の肉の部分すべてに熱感があれば、
病は良くなったのであり、鍼を止めるべきである。
【骨痺】
骨部に病があり、
重い感じがして挙動が不自由となり、
骨髄中がひどく痛み、局部に寒冷の感覚があるのを骨痺とよぶ。
深く刺すべきだが、脈と肌肉を損傷しないことを原則とする。
鍼刺時の通り道は大小の分肉の中間を選択し、
骨部に発熱を感じれば、病は癒えたのであって、鍼を止めるべきである。
【狂病】
手足の三陽経脈に病があり、寒とか熱とかの症状を生じ、
同時に大小の各分肉の部分にも寒とか熱とかの感覚があるのを、狂病とよぶ。
瀉法によって鍼刺し、陽脈の病邪を散らし出す。
各分肉を観察し、すべてに熱感があるようなら、
病は癒えたのであって鍼を止めるべきである。
狂病が初めて発して、年ごとに一度発作を起こし、
治療しないでいると、月ごとに一度になってしまい、
また治療しないでいると、月ごとに四、五度になってしまうといったものを、癲病とよぶ。
大小分肉と各部の経脈を刺すべきである。
もし寒冷の症状がなければ、鍼を用いて補ないし瀉を自在に応用して調治し、
病が好転したら鍼を止める。
風が人体を損ない、寒とか熱とかの症状が現れ、熱すると汗が出て、一日数度に及ぶものは、
まずその分肉、皮膚と経脈を刺す。
もしもとどおり汗が出、寒熱を発するようなら、
三日ごとに一度鍼治し、病が好転したら止める。
【大風】
大風が襲ったための病で、全身の骨節が重くなり、
ひげと眉毛が次第に落ちていくのを大風とよぶ。
肌肉に鍼刺するのを要とする。
汗を出させるようにして百日連続治療し、
さらに骨髄に鍼刺して汗を出させるようにして治療することさらに百日、
前後共に計二百日の治療によって、
ひげと眉毛が再び新しく生じれば、鍼を止める。
●大風
→癘風・癩風ともよび、大麻風病〔ハンセン氏病〕のことである。
刺家不診、聴病者言。在頭頭疾痛、為蔵鍼之、刺至骨病已。上無傷骨肉及皮。皮者道也。
陰刺、入一傍四処、治寒熱。深専者、刺大蔵。迫蔵刺背、背兪也。刺之迫蔵、蔵会。腹中寒熱去而止。与刺之要、発鍼而浅出血。
治腐腫者、刺腐上、視癰小大深浅刺。刺大者多血、小者深之、必端内鍼為故止。
病在少腹有積、刺皮[骨盾]以下、至少腹而止。刺侠脊両傍四椎間、刺両[骨客]髎季脇肋間、導腹中気熱下已。病在少腹、腹痛不得大小便、病名曰疝、得之寒。刺少腹両股間、刺腰髁骨間。刺而多之、尽炅病已。
病在筋、筋攣節痛、不可以行、名曰筋痺。刺筋上為故。刺分肉間、不可中骨也。病起筋炅、病已止。
病在肌膚、肌膚尽痛、名曰肌痺、傷於寒湿。刺大分小分、多発鍼而深之、以熱為故。無傷筋骨。傷筋骨、癰発若変。諸分尽熱、病已止。
病在骨、骨重不可挙。骨髄酸痛、寒気至、名曰骨痺。深者刺無傷脈肉為故。其道大分小分、骨熱病已止。
病在諸陽脈、且寒且熱、諸分且寒且熱、名曰狂。刺之虚脈、視分尽熱、病已止。病初発、歳一発不治、月一発不治月四五発、名曰癲病。刺諸分諸脈。其無寒者、以鍼調之、病止。
病風且寒且熱、炅汗出一日数過、先刺諸分理絡脈。汗出且寒且熱、三日一刺、百日而已。
病大風、骨節重、鬚眉墮、名曰大風。刺肌肉為故。汗出百日、刺骨髄、汗出百日、凡二百日、鬚眉生而止鍼。
参考文献:
『黄帝内経素問 中巻—現代語訳』
『鍼灸学[経穴篇]』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
新川
こんにちは。
今年もよろしくお願いします。
ほんとに鉄道がお好きなんですね(^^)
時間とお金ができたとして、先生がどんな
プランを組んで列車の旅をされるのか?
私には想像できないくらいすごそうです!!!
夢のプランを是非聞かせて頂きたいです☆彡
私はだいぶむか~し先生くらい若い頃(?)
究めたい学問も仕事もない若者だったので、
飛行機のオープンチケットとレイルパスを持って
通貨統合前のヨーロッパを列車と車でプラプラと
旅した事があります。
私も地中海性気候が心地よく、スペインが一番の
お気に入りで一ヶ月程滞在しました。
しかし、特に鉄道や観光に興味があったわけでも
なく、最初の一週間以外はノープランのとりあえず
体力、気力、根性、度胸を必要とする大変な旅で、
もったいないことに先生のような大人な楽しみ方は
できませんでした。(≧0≦)
今ではとてもできない(したくない)ような旅でしたが
若いうちに無難でない事にチャレンジしといてよか
ったかなっとも思います。(笑
こんにちは。
こちらこそ宜しくお願い致します。
大冒険の旅のお話し、わくわくします!
そのようなご経験が、
tatsukyonさんのおおらかさにもつながるのかもしれませんね。
スペインが好きですが、
実は一回も行ったことはなく、
パルケエスパーニャさえ入場したことがない始末です(笑)
昔、カタコトの英語とわずかな現地語を駆使し、
海外旅行したことを思い出します。
現地語を会話に入れていくと、
不思議なほど現地の方々と仲良くなれた記憶があります。
(某有名サッカーチームのTシャツを着ていたのもよかったのかも。)
そんなこともあり、
自分にとって“いかに現地の人と会話するか”が、
その旅の価値に直結しているように感じます。
なんだか答えになっていませんが、
行く場所はどこでもよかったりするのかもしれません(^_^;)
お返事ありがとうございます。
ワクワクして頂けたので調子にのって再投稿します。(^^;
先生は以前どこの国にいかれたんですか?
旅先での人々との交流が楽しみなら、個人旅行が向いてるかもしれませんね。
面倒だろうが恥ずかしかろうが嫌でも現地人と交流せずにはおれませんから!(笑
私のスペイン旅に関しては、特に全く準備しておらず、会話本などもなく、入国した時点で、「hola!」しか知らず、
寝台列車をおりて、空腹・寝ぼけ状態で、読めない売店メニューの前で茫然と立ちすくむ事からスタートしました。(なんてサバイバル)
そんなスペインでの一食めは、親切なフランス人旅行者が英語で声をかけてくれて、代わりに注文してご馳走までしてくれたのです。
(ありがたや~)
不慣れで未熟さゆえに経験できる事やよい出会いもありますね。
よく見かけるお店や、食べ物などの簡単な言葉は一ヶ月もいたら誰でもすぐに覚えられると思いますが、
現地でフラメンコや闘牛を観賞することもせず変わった遊びをしていたおかげで、早々と数字を1から100まで覚える事ができました。
もしスペインに行かれるときは、現地で数字を簡単に覚える方法を伝授いたしますョ。(笑)
大して役に立ちませんけどw
「hola!」のみ!
参りました(^_^;)
現地ではたとえ英語でも、
自分が少しでも理解出来る言葉を聞くと異様に安心します。
ちなみに私は東アフリカのケニアに行きました。
現地の寝台特急に乗りましたが、なかなか居心地よかったですよ。
いつもお世話になっております。
「世界の車窓から」って、書籍にもなっているんですか。
じっくりと見てみたいです。
のんびり列車の旅、いつか出来たらいいなぁ。
新婚旅行がスイスだったのですが、綺麗な湖畔の近くを列車が通ったのが印象に残っています。本当に綺麗な自然がたくさんでした。
あと、チケットの確認に来られる車掌さんですかね、とても穏やかでにこにこしながら、日本人の私たちにゆっくりと英語で話しかけてくださったのが印象的でした。
旅はいいですねぇ~~。
コメントありがとうございます。
現在は書籍以外にも、
朝日新聞出版からDVDブックも発売されているようです☆
車掌さんの人柄が伝わってくるエピソードですね。
よく道を聞かれることで有名な私ですが、
海外の方に道を聞かれるようなことがあれば、
「日本代表」として丁寧に説明したいものです。