小建中湯
図の如く、腹皮拘急して、縦横数縄を引張りたるが如く、
之を按ずるに橈まず、譬えば弓弦(ゆずる)を押すが如し。
世に所謂、労瘵癇症、或い欝證と号するもの、此の證多し。
医者、文辞に眩せず、腹證によって方を処するときは、
百発百中、失するということなし。
組成:白芍(びゃくしゃく)
桂枝(けいし)
炙甘草(しゃかんぞう)
生姜(しょうきょう)
大棗(だいそう)
膠飴(こうい)
主治:中焦虚寒・脾虚肝乗主に脾の弱りにより運化が低下して、
その虚に肝気が横逆してきた場合に呈する、引きつるような腹痛の時に用いる。
【付記】
では、この小建中湯の方を鍼でどのように
表現するのかというところに課題があろうかと思う。
生薬の働き一つずつと組成の意味、
穴性を知ればそれは自ずと答えが出るのではないか。
参考文献:
『腹證奇覧 全』 医道の日本社
『中医臨床のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
画像:
『腹証奇覧 正編2巻』
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004913
本多
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。