こんにちは、為沢です。
最近、訳あって家族を診ることが多くなってきてます。
過去に親兄弟が病で苦しんでいるところを目の当たりにし
何か助けになりたいと思ったことが、この業界に入るきっかけでした。
普段、あまり実家に帰らず無愛想な自分ですが
今は身を捧げる想いで家族に奉仕できればと思います。
(…神妙に綴りましたが、命に関わるような事態ではないので御心配なく☆)
・
では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)八十八章と八十九章。
それぞれ発汗の禁忌例を詳しく述べております。
弁太陽病脈証并治(中)八十八章
汗家、重發汗、必恍惚心乱、小便已陰疼、与禹余粮丸。四十四。方本闕。
和訓:
汗家は、重ねて發汗すれば、必ず恍惚とし心乱れ、
小便已りて陰疼む。禹余粮丸を与う。四十四。方は本もと闕く。
・汗家、重發汗、必恍惚心乱、小便已陰疼、与禹余粮丸
日頃からよく汗をかく人は衛陽の守りが強くないので、
気虚津傷となり表病が生じやすい。
汗は心液であるから汗をかきすぎれば、心を傷つけることになる。
それにも関わらず発汗法を行えば、心の気・液ともに傷つけてしまうので
必ず精神が朦朧としてイライラし、神を主ることができなくなってしまう。
また下焦の腎陰にも影響が及ぶので、排尿後痛みを感じ残尿感が生じるのである。
日頃からよく汗をかく人は衛陽の守りが強くないので、
気虚津傷となり表病が生じやすい。
汗は心液であるから汗をかきすぎれば、心を傷つけることになる。
それにも関わらず発汗法を行えば、心の気・液ともに傷つけてしまうので
必ず精神が朦朧としてイライラし、神を主ることができなくなってしまう。
また下焦の腎陰にも影響が及ぶので、排尿後痛みを感じ残尿感が生じるのである。
提要:
汗家には発汗法は禁ずると述べている。
訳:
平素よく汗をかく患者の場合、さらに発汗法で治療すると
精神昏迷して心中がイライラして落ち着かず、さらに排尿後には尿道が痛む。
これには禹余粮丸を与えるとよい。第四十四法。もともと処方の記載がない。
八十九章
・
病人有寒、復發汗、胃中冷、必吐蚘。
和訓:
病人に寒あり、復た發汗すれば、胃中冷え、必ず蚘を吐す。
・病人有寒、復發汗、胃中冷、必吐蚘
病人で胃虚で内寒がある場合は、
水穀を変化させて津液を生じる力が不足しているのだから発汗法は行ってはいけない。
発汗法を行えば陽気が外に泄れて内が虚し、寒冷となる。
胃に陽熱が生じなければ、腹部にいる蛔虫がいる場合は内寒に追われて
上方に這い出し口から出てくる。
ここでは、傷寒を治す場合は胃の気を傷つけてはならないことを暗に示している。
病人で胃虚で内寒がある場合は、
水穀を変化させて津液を生じる力が不足しているのだから発汗法は行ってはいけない。
発汗法を行えば陽気が外に泄れて内が虚し、寒冷となる。
胃に陽熱が生じなければ、腹部にいる蛔虫がいる場合は内寒に追われて
上方に這い出し口から出てくる。
ここでは、傷寒を治す場合は胃の気を傷つけてはならないことを暗に示している。
提要:
胃虚有寒の場合は発汗法は禁ずると述べている。
訳:
平素より胃に寒がある患者の場合、
誤って発汗させると胃中がさらに冷え、その結果、蛔虫を吐き出すことがある。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。
為沢