こんにちは下野です。

鍼灸学校に入る際に「漢字を覚える為に字を書こう!」と思い
購入した万年筆があるのですが、長年使用してなかったので
お手入れをして、久しぶりに使うようにしました。
その際、インクも今まで使用していたものと気分一新変えてみようと思い、
PILOTのiroshizuku【色彩雫】シリーズのsyo-ro【松露】に切り換えました。

syo-ro【松露】
syo-ro【松露】

このインク、書き始めは青?と感じますが、
乾いてくると緑色に変わり、色の変化を楽しむことが出来ます。
ただ僕は、ひとつひとつ手作りと言われている
インクのボトル(瓶)に惚れ込んでしまいました。
このシリーズ、まだまだ種類があるそうなので、
なんか集めてしまいそうな気がします・・・
(実はkosumosu【秋桜】という色も購入してしまいました。)

では『難経』の記事に参ります。


【原文】
三十一難曰、三焦者何禀何生。何始何終。
其治常在何許。可暁以不。

然。
三焦者、水穀之道路、気之所終始也。
上焦者、在心下下鬲、在胃上口、主内而不出、
其治在膻中。玉堂下一寸六分、直両乳間陥者是。
中焦者、在胃中脘、不上不下、主腐熟水穀、其治在斉旁。
下焦者、当膀胱上口、主分別清濁、主出而不内、以伝導也。
其治在斉下一寸。
故名曰三焦。其府在気街。


【現代語訳】
三焦は何を受けて生成され、
人体のどこから始まり、どこで終わるのか。
またどこに位置するのか。
これらを明確にすることはできるのだろうか。

答え。
三焦は水穀の通路であり、気機の活動の総体である。
上焦は心下から横隔膜の区間で
胃の上口にあり、受納を主としている。
治療には膻中穴を使い、
その位置は玉堂穴の下一寸六分、両乳の間の陥没したところにある。
中焦は胃の中脘にあり、その上でも下でもない。
その働きは主に水穀の消化で、治療は臍のわきにある。
下焦は臍下にあり、ちょうど膀胱の上口にあたる。
その働きは排出が主となり、伝導機能を果たしており、
治療には臍下一寸にある。
これらを総称して三焦と呼び、気街にある。


【解説】
当難では三焦について述べられてる。

まず、現代中医学において三焦とはどういったものなのか。
下記のように考えられている。
全身の内外に存在し、水穀の精気・津液・気の通路である。
これは六腑中の三焦の意義。

全身を上焦・中焦・下焦の三つの部分(三焦)に分けて
その生理機能を説明するのに用いるもの。


外感温熱病の弁証法の一種類で、温熱病の伝変の規則性を
体系化したもの。上の二つとは全く異なる。

そして、当難で説明されている三焦は、
下記のように考えられている。
上焦
心下から横隔膜の区間で胃の上口にあり、
胃の上口とは水穀を納める場所と考えられている。
治療穴の膻中は気会で、気が集まる場所となるので治療穴となる。

中焦
中脘は胃の中心であり、水穀を腐熟する働きがある。
臍は全身の正中にある為 中気はここに集まるが、
治療はその正中を避けた処に行う。

下焦
膀胱の上口は小腸の下際にあたり、
ここで清濁に分けられ、体外に排出される。
治療の臍下一寸は、下焦の気が集まる場所なので、
治療穴となる。


<参考文献>
『難経解説』 東洋学術出版社
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『基礎中医学』 燎原書店
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『やさしい中医学入門』 東洋学術出版社
『臓腑経絡学』 アルテミシア

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

2 コメント

  1. 少し前に買った雑誌にインクボトルの紹介がありました。
    エルバンのヴィオレ・パンセというすみれ色のインクです。
    ネーミングもフランスの香りですが、ナポレオンの時代から今から数十年前まで、小学校の指定色だったそうです。
    ラベルにもビオラのイラストがはいっていてインク瓶ってキレイだな~と思いました。
    先生が集めたくなるお気持ち、わかります。
    (瓶が好きなのでよく雑貨屋さんで眺めてます。)
    学生時代、親が持っていた万年筆をもらってそれでよく友達に手紙を書いてました。
    まだケイタイもPCもなかった時代です。
    カートリッジ式でしたがインクの紺の色あいと万年筆特有の書き味が好きでした。

    PILOTの色彩雫は日本の伝統色の名前ですね。
    松露というネーミングもいいですね。
    秋桜はどんな色に変化するんでしょう??考えただけでワクワクします。

    • おコメさん

      こんにちは。
      実は昨日、某文具店でエルバンのインクを見ておりました。
      これもいいなぁ~と思いながらも、まだ他にも色んなメーカーのものを
      眺めておりました。
      僕なんかは、眺めているだけで気分が落ち着くので、
      休日に梅田に出た際には、よく文具店を訪れております。

      おコメさんは瓶がお好きなんですね。
      万年筆のインクボトル(瓶)はメーカーによって、
      色んな形のものがありおもしろいですよ。
      もうひとつ良いのが、中身の色も
      同じ色でもメーカーによって若干異なりますので、
      これまた良いですね。

      PILOTの秋桜、
      ピンクとオレンジが合わさったような色でした。
      (訳の分からない説明ですいません・・・)
      ただ光の当たり方、紙の質によっても多少異なりますので、
      そこもおもしろいですね。

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