こんにちは下野です。
最近、図書館で書籍を読んでいるうちに
再度 歴史(特に日本史)に興味が湧いてきております。
学生時代は、地元に古墳や遺跡があり
授業やフィールドワークが多かったことから
好きな分野となり、一時期は歴史・人類学専攻で進学をしようかな
と考えておりました。
そこで、ここ数ヶ月インドア派となっておりましたので、
今度のお休みは久しぶりにフィールドワークに出てみようと思います。

では『難経』の記事に参ります。


【原文】
三十難曰、栄気之行、常与衛気相随不。

然。
経言人受気於穀、穀入於胃、乃伝於五蔵六府。
五蔵六府皆受於気、其清者為栄、濁者為衛。
栄行脈中、衛行脈外。栄周不息、五十而復大会。
陰陽相貫、如環之無端、故知栄衛相随也。


【現代語訳】
営気の流れは、常に衛気と共に流れているのだろうか。

答え。
『内経』には、人は穀物より気を授かると述べられており、
穀物は胃の中に入ると五臓六腑に伝わり、
五臓六腑は皆これら気を授かる。
その気の清なるものは営となり、濁なるものは衛となり、
営は脈中を、濁は脈外を行く。
営衛気血は体を一昼夜に五十回循環し手太陰肺経に総集する。
陰(営)陽(衛)は互いに貫通し、環のように循環して運行している。
このことから、営と衛は相随いつつ循環していることがわかるのである。


【解説】
営は営気で人身を栄養し、衛は衛気で人身を保護する役目がある。
当難では、その営・衛の生成と循行について論じている。

生命の始まりは、両親から受け継いだ先天の精気である。
この気を継いで養うものが水穀(食物)より受け取ったものであり、
水穀は胃に入り、そこから各臓腑に受け渡され
気・血・津液の生成や代謝が行われる。

・営気
胃が消化した水穀から、脾が得た清なる物質(水穀の精微)の
栄養豊かな部分から生成される。
営気は血の生成にも関連しており、生成された後に肺経より経絡に入り
血と共に全身を栄養する。
活動性は低いが、栄養物が多く全身を滋養する作用をもつために
陰性で清(柔軟)の性質を持つ気とされ、循行部位は経脈の中を行く。

・衛気
先天の精気が源で、水穀の精微の滋養を受けて生成される。
活動性で温熱性が高いために陽性で濁(剛健)の性質を持つ気とされ、
営気とは相反するものである。
循行部位は、外邪の侵入を防ぐために経脈の外を行く。

営気と衛気の相違については上記のようになるが、
ただ実際は両者を分けることは出来ないと考えられており、
脈中に作用するものを営、脈外に作用するものを衛と称するに
すぎないと当難では書かれている。
その理由を張景岳は
人体の陰陽が両々相交わって感じ合う道で、
分ければ二つになるが、合わせれば一つにすぎない

といっている。


<参考文献>
『難経解説』 東洋学術出版社
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『基礎中医学』 燎原書店
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『やさしい中医学入門』 東洋学術出版社

画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

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