大承気湯2

大承気湯
大承気湯

又、一證。この図の如く、敢えて腹堅満なるにてもなく、
腹の中央に長く堅きものあり。之を按ずるに敢えて痛まず。
之れ則ち堅塊なり。或は身体羸痩して堅塊あるものなり。
世に所謂、中風脹満、或は労瘵等に此の證多し。
謹んで薬品を改め、数百剤を以って攻むること、或は半年一年より、
二年三年に及ぶものあり。
凡そ、此の證、若しく燥屎あるものなり。燥屎あるものは、臍下必ず磊砢(ぐらぐら)として、
宛も、衆石、を包みて上より按ずるが如し。
肌膚(はだえ)枯燥(かわき)してばさばさとしたるものなり。
或は、時々下痢臭穢、或は結糞兎屎の如きものを下す。
総て何病たるを問わず、腹底中央深く按すに、
底に応えて其の形長きものあるは皆大承気湯の證なり。
さてまた、此の證を攻むるときは、間、脇に引いて掣痛するものあり。
此の時は本方を止めて、十棗湯を用い、掣痛治して後、
本方に復りて之を攻むべし。これ兼用の法なり。
或は此の時に臨んで知足斎の直行丸を考うべし。


参考文献:
『腹證奇覧 全』 医道の日本社

画像:
『腹証奇覧 正編2巻』
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00004913

本多

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

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