こんにちは、下野です。
またまた文具関係ですが・・・
今まで予定はシステム手帳で管理していたのですが、
最近になり、トラベラーズ ノートで管理するようになりました。
理由は、革のファイルを使ったり、中のノートを何冊も組み合わせたりなど
ノート自体を自分の好きなようにカスタマイズ出来て、
自分の使い易い物を作り上げることが出来るからです。
皆とは違った物が欲しいなという方にはお薦めです。
↓の伊東屋さんにはお世話になっています。
梅田・西宮にもお店がありますので、興味がある方は
是非一度行ってみて下さい。
では、久しぶりとなりました
『難経』の記事に参りましょう。
<原文>
二十八難曰、其奇経八脈者、
既不拘於十二経、皆何起何継也。
然。
督脈者、起於下極之兪、並於脊裏、上至風府、入属於脳。
任脈者、起於中極之下、以上毛際、循腹裏、上関元、至喉咽。
衝脈者、起於気衝、並足陽明之経、夾斉上行、至胸中而散也。
帯脈者、起於季脇、回身一周。
陽蹻脈者、起於眼中、循外踝上行、入風池。
陰蹻脈者、亦起於眼中、循内踝上行、至咽喉、交貫衝脈。
陽維、陰維者、維絡於身、溢畜不能環流灌漑諸経者也。
故陽維起於諸陽会也。陰維起於諸陰交也。
此於聖人図設溝渠、溝渠満溢、流於深湖、故聖人不能拘通也。
而人脈隆盛、入於八脈而不環周、故十二経不能拘之、
其受邪気、畜前腫熱、砭射之也。
<現代語訳>
奇経八脈なるものが十二経に属さないのならば、
それはどこから起こり、どこに続くのか。
答え。
督脈は下極の会陰穴から起こり、脊中を上行して風府穴に至り脳に入る。
任脈は中極の下から起こり、毛際を経て腹壁の内にあり、
腹部正中線上に沿って上行し、関元を経て咽喉部に至る。
衝脈は気衝に起こり、足陽明経に並び臍を夾んで上行し、
胸中に至って散ずる。
帯脈は胸腹両側の季脇に起こり、腰帯を締めるように腰を一周する。
陽蹻脈は足跟部に起こり、足の外踝に沿って上行し、風池穴に入る。
陰蹻脈も足跟部に起こり、足の内踝に沿って上行し、
咽喉部に至って衝脈と相貫通する。
陽維、陰維脈は全身を網状に絡い、満ち溢れた気血を蓄積するが、
十二経の中を循環周流して灌漑することができない。
したがって陽維脈は諸陽の会する地に起こり、
陰維脈は諸陰の交わる所に起こる。
例えば、聖人が氾濫した川の水のために溝渠を造ったとしても、
溝渠の水が溢れてしまったとしたら、自然に流れて湖に流入し
聖人であってもその流れを阻止することは出来ない。
それと同じで、人体の血気が盛んになると、
奇経八脉という別道に入り、十二経脈はそれを統制することは出来ない。
奇経八脉が邪を受け巡らなくなると腫熱となり、
その時は、砭石でこれを瀉するのである。
<解説>
当難では、
奇経八脈の循行と起止点について論じている。
・督脈
下極の兪(長強穴)から起こり、脊柱を循り上行し風府に至り、
入って脳に属す。
また項部を上がり額を循り、鼻柱に至る。
・任脈
中極の下に起こり、毛際を上がり
腹裏を循り関元に上がり咽喉に至る。
その後、面を循り目に入り
舌を絡う。
・衝脈
気衝に起こり、足の陽明経に並んで
臍の両傍を上行し、胸中に至って散ずる。
咽喉に相、別れて唇口に絡う。
・帯脈
季脇に起こり、身を回って一周する。
・陽蹻脈
外踝下の申脈穴に起こり、外踝を経て
下肢外側の沿って上行し、風池穴に入る。
・陰蹻脈
内踝下の照海穴に起こり、内踝を経て上行し、
前陰を経て腹胸を上行して欠盆に入る。
その後、咽喉に至り衝脈と交わり貫き、目に至る。
・陽維脈
外踝下方の金門穴に起こり、下肢外則を上行し、
腋後から肩に上り側頭と頚後に分布する。
・陰維脈
下腿内側の築賓穴に起こり、下肢内側を上行して腹部に至り、
脇部に至り、咽喉に至る。
<参考文献>
『難経解説』 東洋学術出版社
『難経鉄鑑』 たにぐち書店
『基礎中医学』 燎原書店
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。