candle night
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こんにちは、為沢です。

先日、夕方に梅田を歩いておりました。
ある場所で、大勢の若者が せっせと
何かの準備をしており、何やろな?と思いながら
横目に通り過ぎ、野暮用を済ましに行きました。
帰り道、すっかり外は暗くなり少し肌寒い。
早々にさっき来た道を戻ると、
沢山のキャンドルが目の前に!!
どうやら「1000000人のキャンドルナイト」という
イベントだったみたいで、
そのロウソクの火に、電気では味わえない
温かみ・癒しを感じました。
歳でしょうか(笑) 歳ですね。はい。
おかげで充電できた気分です。仕事頑張ります。


では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)七十四章と七十五章。
七十四章では、蓄水証と水逆になる場合の証治について。
七十五章では、何度も発汗法を行なったことにより、
心腎がどちらも傷ついた場合に表れる症状について詳しく述べております。


弁太陽病脈証并治(中)七十四章

中風發熱、六七日不解而煩、有表裏証、
渇欲飲水、水入則吐者、名曰水逆、五苓散主之。三十七。
用前第三十四方。

和訓:
中風の發熱、六七日解せずして煩し、表裏証あり、
渇して水を飲まんと欲し、水入れば則ち吐するものは、
名づけて水逆と曰い、五苓散之を主る。三十七。
前の第三十四方を用う。


中風發熱、六七日不解而煩、有表裏証
太陽中風証で6〜7日経過してもよくならず、
煩(気分がイライラして落ちつかない)し、表と裏に症状がある。

渇欲飲水、水入則吐者、名曰水逆、五苓散主之
「渇」は水が膀胱の気化作用の失調により下焦に停滞して、
津が全身に巡らないためのものであるから、水を飲んでも口渇は止まないのである。
膀胱に下降できなくなった水は中焦に留まるため、無理に飲めば胃に入らず吐いてしまう。
この証では中焦に問題があるようだが、実際は下焦に原因がある。
このような場合でも五苓散で陽を通し気化し、利水を図れば治療することができる。

五苓散(ごれいさん)
こちらを参照→【古医書】傷寒論を読む: 弁太陽病脈証并治(中)七十章・七十一章

提要:
蓄水証と水逆になる場合の証治について。

訳:
太陽中風に發熱があり、六七日たっても解熱せず、さらに心煩を訴えるようになった。
この時に太陽表証だけでなく、裏証として小便不利という蓄水証もある。
患者は口渇があり水を飲もうとするが、水を飲み下すと、たちまち吐出してしまう。
このような病を「水逆」と呼び、これもまた五苓散で治療する。第三十七法。前記第三十四法の処方を用いる。


七十五章

未持脉時、病人手叉自冒心。師因教試令欬、
而不欬者、此必兩耳聾無聞也。所以然者、以重發汗、虚故如此。
發汗後、飲水多必喘、以水灌之亦喘。


和訓:
未だ脉を持たざる時、病人手を叉えて自ら心を冒う。
師因りて教え欬せしめんと試み、而るに欬せざるものは、此れ必ず両耳聾して聞こゆることなきなり。
然る所以のものは、重ねて発汗するを以て、虚するが故に此の如し。
発汗して後、水を飲むこと多ければ必ず喘し、水を以て之を灌ずるも亦た喘す。


未持脉時、病人手叉自冒心
脉を診る前に病人が手を交叉して胸を抑えている。

師因教試令欬、而不欬者、此必兩耳聾無聞也
「咳をしてみなさい」と言っても、咳をしない場合は耳が聞こえないからである。

所以然者、以重發汗、虚故如此
これは何度も発汗法を行って病人の体が虚になったからである。
両手を交叉し胸を抑える動作は過度の発汗により心陽が虚しているため。
病人の耳が聞こえないのは、何度も発汗させ腎が傷つき、
腎が開竅している耳に精気注がれなくなったため。

發汗後、飲水多必喘、以水灌之亦喘
発汗法を行ったあと、水を多く飲めば喘が生じる。冷水で皮膚を潤しても同じように喘ぐ。

提要:
何度も発汗法を行なったことにより、
心腎がどちらも傷ついた場合に表れる症状について

訳:
医者が脉を診る前、患者はすでに両手を交叉して胸を押さえている場合、
患者に咳をするように命じてみて、咳をしなければ、この患者は耳が聞こえないのだ。
このようになったのは、発汗し過ぎて、患者の体が虚してしまったからである。
発汗したあと、水を多量に飲みすぎると、息が喘ぐようになるが、水浴してもやはり息は喘ぐはずだ。


参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』   東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』  績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社

生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

為沢

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