こんにちは。大濱です。
列欠(列缺)について調べたことを書いていきます。
<要穴>
○ 手太陰肺経 絡穴
○ 八脈交会穴 任脈
別名:童玄・腕労
「列欠は手太陰の絡穴である。
肺は華蓋であり、垂天の象があり、その絡はこの穴から別れて出る。経気はここから手陽明大腸経に至り、裂出扶去(裂けて出てや分れて去る)の象があることから列欠と命名された。」
また、列欠は任脈に通じている。
< 穴性 >
疏衛解表
宣肺利気
< 治療範囲 >
1.肺衛と肺系疾患
肺は気管に連絡しており
粛降を主り呼吸を司っている。
宗気の出入するところであり
気機の出入昇降の枢である。
外邪侵肺、疾濁阻肺、痰熱蘊肺などにより、
肺の粛降・宣散作用が失調し、気機が失調しておこる病証。
肺は衛に属しており皮毛に合している。
肺は嬌臓であり外邪が侵聾すると最初に影響をうける。
外感風邪(風寒、風熱など)によりおこる肺衛と肺系の証候、および温病の衛分証候。
「肺は水の上源」であり通調水道を主り、水を膀胱に下輸させる。
風邪の侵襲をうけたために肺気が降りなくなり、通調水道の機能が失調しておこる水腫。
2. 経脈通路上の病証
肺は鼻に開竅し、喉は納気を司り肺に通じる。
外邪が肺衛に侵襲しておこる病証、
肺気塞熱や経気の循行が失調したためにおこる頭、顔面、口、鼻、喉疾患に対して
弁証取穴と循経取穴として二重の効果がある。
また列欠は、手太陰脈経と手陽明大腸経の
循行通路上にあたる腕、管、肘、胸脇、肩、項、頭顔面などの病変を治療することができる。
< 歴代医家による考察 >
歴代の医家は列欠を頭痛、咳嗽、咆哮などを主治する常用穴としている。
しかし、頭痛患者の全てを列欠を用いても
治癒は叶わず、弁証取穴を無視してはならない。
外感性の頭痛にはある一定の効果があるとされている。
《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『腧穴学』 主編:楊甲三