小柴胡湯の副作用で間質性肺炎がよく取り上げられます。
この事は小柴胡湯のイメージダウンにも繋がった気がします。
この事故ですが、漢方医の中ではそもそも証をみてないから起こって当たり前という様な意見も聞きます。
ですので簡単に調べてみました。
間質性肺炎には症状に「乾性欬嗽」があります。
痰を伴わない乾いた咳です。
これだけで陰虚と判断するには乱暴な気もしますが、少なくとも痰湿が溜まっている傾向は少ない気もします。
続いて小柴胡湯に配合される生薬を見ていくと半夏・黄芩など燥性の生薬が多く配合されます。
このあたりはそれぞれ半夏瀉心湯や黄連解毒湯にも配合される生薬で、乾くイメージがしやすいです。
その中でも意外だったのが柴胡も乾くので陰虚に使うなとされている点です。
中医臨床のための医学衷中参西録 3巻P110にも具体的な症例があります。
そう考えると小柴胡湯は燥性の塊とも言える漢方薬なので、気軽に陰虚傾向にある人に使いにくいものであり、証を考えずに投薬して間質性肺炎を招いた。
納得できる理論です。
意外と四逆散なんかを使う時にも気をつけたい事だと思います。
参考資料 中医臨床のための医学衷中参西録 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編訳