こんにちは。大濱です。
前回、照海の穴性について掲載しました。
そこで、陰蹻脈について調べました。
個人的に興味深いと思う事を抜粋していきます。

 

< 蹻脉の由来 >
「蹻」の字の意味は、足を高くあげて歩くこと。
力強く歩く様子の形容する。
蹻脈は足眼部から起こり、
足の健歩と関連し、これに由来する。

玄操の『難経』注に
「蹻は捷疾(すばやい)なり。是れ人の行走の機要、動足の所由なり」
とある。


< 陰蹻脈の流れ >
陰脈は足の少陰腎経の別脈である。
その脈は足の中の足少陰腎経の然骨穴の後方から起こり、
足少腎経と共に内の下の照海穴を循り、
内踝の上を二寸上って交信穴を郊穴とする。
そこから直上して大腿内側を循り、陰部に入り、
上って胸腔を循り、鎖骨上窩の缺盆に入り、
人迎穴の前に出て、咽候部に至り、衝脈と交会して貫き、
頄(頬骨)の内側に入り、上行して目の内皆に至り、
手足の太陽経、足の陽明胃経、陽蹻脈と共に五脈が睛明穴で交会して上行する。


< 
蹻脈の分布と衛気の運行 >
蹻脈は「足従り目に至る」ので、
主な作用は足の行動と目の開閉として現れ、
脳の覚醒と睡眠とにも関係している。

陰、陽蹻脈は昇もあり、降もあり、
陰蹻脈は足少陰の分支、
陽蹻脈は足太陽の分支である。

『霊枢」脈度(十七)には、
「陰脈は上行し、目の内皆に属し、太陽に合し、陽語として上行す」
とあり、陰路と陽が内皆の睛明穴の部位で合し、
眼を滋養する作用があることを指している。

『霊枢」寒熱病(二十一)には、
「足の太陽は…項中両筋の間に在りて脳に入り、
乃ち陰蹻、陽蹻に別れ、陰陽相交わる、陽は陰に入り、陰は陽に出で、目の鋭皆に交わる。」
とある。

足太陽膀胱経は風府穴の所から脇に入り、
目系を形成して陰蹻脉と陽蹻脉とに分れる。
(目系は目と脳の連接部)

陽蹻脉は目から足に至り、陰に向って走る。
陰蹻脉は足から目に至り、陽に向って走る。
そして目の内皆の睛明が陰陽蹻脈の交会点である。

「足から目に至る」と「目から足に至る」は、
衛気の運行と関連して説明することができる。
衛気は昼間は経を運行し、この時には気は充実し、
陽脈の気は盛んであり、目は生き生きと張って眠気はない。
夜間は陰経(五臓)を運行し、陰気が充実し、
陰脈の気が盛んとなり、目は閉じて眠くなる。

 

陰蹻脈
『奇経八脈考』を勉強しながら模写しました。

 

つづく


《参考文献》
『現代語訳奇経八脈考』  李時珍 著
『現代語訳・黄帝内経素問』  東洋学術出版
『現代語訳・黄帝内経霊枢』  東洋学術出版

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