大濱です。
合谷の穴性について学んでいきます。
< 要穴 >
手陽明大腸経 原穴
四総穴
< 穴性 >
合谷の穴性を以下にまとめました。
「益気固表」「疏通気血」「行気」
補気⇨
① 益気固表⇨補肺気⇨宣肺平喘
⇨補脾気⇨宣清降濁・昇堤
② 疏通気血⇨発汗・利尿・行気⇨清熱
⇨通調気血
③ 行気⇨行気滞血瘀⇨鎮痛
補気することにより、気(衛気)が充実し、
それにより衛表が固密(固表)となり、
さらには肺気と気も補われ、
「宜肺平喘」「昇清降濁」「昇提」
の作用が誘導できる。
補気により気血の疏通が充実し、
発汗や利尿、さらに行気が促されて清熱する。
主に、表熱・肺熱・大腸熱・胃熱・肺大腸経の熱が清解される。
また補気によって気の疏通も加速し、
行気によって気滞血瘀が緩解して鎮痛する。
血の流通も促されて阻滞したものを解消する。
さらに合谷は手陽明大腸経の原穴であり、
多気多血の経脈を備えた経穴である。
< 治療範囲 >
肺衛・気分証
肺と大腸は互いに表裏の関係にある。
肺は衛外に属し、皮毛に合す。
外邪の侵犯をうけると肺衛が影響を受ける。
手太陰肺経は裏・陰に属しており
手陽明大腸経は表・陽に属しているが
合谷は手陽明大腸経の原穴であり
表裏二経を通じさせる作用がある。
瀉法を施すと、清肺、疏衛、陽明の清宣などの作用がある。
気分の頭面諸竅や上焦の熱を清める。
そのため外邪が肺や肺衛を侵襲しておこる病証の治療に用いることができる。
また温病のうち、邪が衛分にある証、
熱が気分にある証、また傷寒病の陽明経証は
治療範囲に入る。
《参考文献》
『臨床経穴学』 著:李世珍
『穴性学ハンドブック』 著:佐藤弘 伴尚志
『中医臨床』穴性論 第1回 東洋学術出版社
『鍼灸治療基礎学』 著:代田文誌
『体表観察学』 著:藤本蓮風