引き続き、甘味について書いていきます。
この内容は甘味の概要を説明した時に入れ忘れてしまった内容ですので以前のブログを見て頂いてもございません。
甘味には稀に渋味を兼ねるものがあります。
渋味は五味に属さず、淡味に近い様な独特な立ち位置です。
作用も収渋薬と言われるジャンルに限ったものです。
働きとしては
中国漢方医語辞典 P194
「固澀…滑脱不収(自汗、盗汗、久瀉、脱肛、遺精、早泄、失血、崩漏、帯下などをいう)を治療する方法を指す。」
の様に何か漏れ出ているものを止める働きがあります。
あくまで標治であり、本を治さないと治りません。
一時的なストッパーの様な役割かと思います。
基本的に酸味が渋味を兼ねる事が多いのですが、まれに甘味が渋味を兼ねることもあります。
漢方生薬実用辞典 P20
「澁…(酸澁)金桜子、石榴皮、五倍子など (甘渋)竜骨、蓮子など」
甘渋の薬が日本で使われる処方の中には、参苓白朮散(山薬・蓮子)・啓脾湯(山薬・蓮子)・桂枝加竜骨牡蛎湯(竜骨)・柴胡桂枝乾姜湯(竜骨)などに含まれる内容です。
参考資料
漢方生薬実用辞典 ガイアブックス 三浦於莵監修
中国漢方医語辞典 中国漢方 成都中医学院・中医研究院・広東中医学院編著