「下手之法」の続きです
「○下手の次第、
○先胸膈より撫下し、○胃經通り、○任脉通り、
○天樞、○臍下、○諸空所へ至り、凡諸空所とは腹の四隅骨の際を命て云なり、皆是蔵府の居に遠くして空軟なる所なればなり、(森立夫曰、四隅のこと、予が附録中に詳にす、)
○再び復胃經を診すべし、其間に大筋の候も自得べきなり、
右諸所に心を着て察するときは、
下に所述の虚實陰陽、及男女年齢等の異別、自分るべし、
其大意を云へば、二言あり、
曰觀相應、曰知定位なり、又恰好を觀、つり合を知とも云べし、
相應とは、男女幼兒、壮老肥瘠、及諸般の気象、病人は其病の新久輕重の屬、
其人自然の相應を見合すべきを云なり、
定位とは、胸腹上中下、任脈天樞、及諸空所等、
各其部位を知定むべきを云なり、
此二件を以て工夫する時は、眞象假象は、自可分なり、」
手筋から四隅への言及。
四隅については、『臓腑部位』に記載があるが、
もう少し考察を深めてみたい。
相應・定位について。
基準が定まってこそ、ズレが見える。
《参考文献》
『診病奇侅』医道の日本社