こんにちは。
本院受付の日下です。
今回は五味の一つ、辛味の持つ(散・行)の内の行の続きを書いていきます。
今回から行血について学んでいきます。
前回までは気の段階で辛味をもって何かを動かしていました。
それが今回からは血のレベルで行うご紹介になります。
中医臨床のための中薬学 P281では
「活血化瘀薬は性味が辛温のものが多く、辛で散瘀化滞し、
温で血脈を通行して血行を促進し、通行血脈・消散瘀血・止痛の効能をあらわす。」
とあり、辛味によって瘀血を動かしている事がわかります。
ただし、あくまで多いだけで瘀血を捌く=辛ではありません。
中医臨床のための中薬学をみても必ず辛味がついている訳ではありませんでした。
例えば桃紅四物湯や抵当湯に含まれる桃仁は
P303にて
「桃仁は苦甘で平性であり、心肝二経の血分に入り、苦で泄降導下して破瘀し、
甘で気血を暢和して生新し、破瘀の効能が生新に勝るので、行瘀通経の常用薬である。」
と紹介されています。
ただ本草綱目などを見ていても歴代の名医ですら性味についてそれぞれの意見があるので、
一つの意見で決めずに柔軟に対応する姿勢も必要かと思います。
《参考資料》
参考書籍 中医臨床のための中薬学 神戸中医学研究所著 東洋学術出版社