下野です。
現在、小阪元佑の『経穴纂要』の記事を書いていますが、
忘れてはいけない経穴書がもう一つあります。

それが時を前後して書かれた
水戸候の侍医 原南陽の『経穴彙解』。
こちらも経穴書であり、
『経穴纂要』と同じく『鍼灸甲乙経』を
土台としてはいるものの、
臓腑の生理学も含まれた内容となっており、
原南陽の集大成とされる書物です。

引書数は、
そう多くはないものの、
臓腑の生理学が分かりやすくまとめられている
岡本一抱の『臓腑経絡詳解』を引用しており、
『経穴纂要』より臨床色が強い書物だと
個人的に感じており、好きな書籍の一つです。

原南陽自身が、
医学倫理も含め臨床力が非常に高い
名医の一人であるというのを感じ取ることのできる一冊です。

アイキャッチ画像は
『経穴彙解 8巻(巻8欠)』(京都大学附属図書館所蔵)です。

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