どうも、新川です。
引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。
今回も
“虚労病諸侯(下)”の続きとなります。
《原文》
虚労則腎気不足、傷於衝脈。
衝脈為陰脈之海、起於関元穴在臍下随腹直上至咽喉。
労傷内損、故腹裏拘急也。
上部之脈微細而臥引裏急、裏急心膈上有熱者、口乾渇。
寸口脈陽弦下急、陰弦裏急。
弦為胃気虚、食難已飽、飽則急痛不得息。
寸微、関実、尺弦緊者、少腹腰背下苦拘急痛、外如不喜寒、身憒憒也。
→概要として、
虚労は腎気不足し、衝脈を損傷することあり。
衝脈は陰脈の海、関元穴に起こり腹部より直上し咽喉に至る。
労傷で内損すると腹裏拘急となる。
上部の脈が微細な者は横になると裏急が引き起こされ、
さらに心膈上に熱あれば口乾渇す。
寸口脈に陽、弦脈は下に急し、陰、弦脈は裏急す。
弦は胃気虚で、そうなれば食事をとりづらくなり、
それでも満腹まで食べれば急痛し呼吸しづらくなる。
(脈状が)寸微、関実、尺弦緊は、少腹腰背下が拘急し痛み、寒を喜ばず、
一身が憒憒す。
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memo
裏急:腹痛があり、排便に間に合わず切迫した状態
憒憒:乱れ、崩れる、分別がなくなる
難経 二十九難
「衝之為病、逆気而裏急」
衝脈、腹裏伏行す。
参考文献:
『現代語訳◉黄帝内経素問 上巻』
『現代語訳◉黄帝内経素問 中巻』
『現代語訳◉黄帝内経素問 下巻』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢 下巻』
『中国医学の歴史』
『中医学の基礎』
『[新装版]中医臨床のための方剤学』
『難経解説』東洋学術出版社
『東洋医学概論』医道の日本社
『中国医学辞典 基礎篇』
『中国医学辞典 鍼灸篇』たにぐち書店
『校釈 諸病源候論』緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。