下積み修行中の紅露くんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。
こんにちは紅露です。
寒い日が続きます。
毎朝、一鍼堂に向かう途中
時計台の温度計で朝の気温を確認するのですが
先日(2/3)の気温が−5℃・・。
どれだけ寒さを感じた日でも−2℃までの
数値しか見たことが無かったので非常に驚きました。
除雪作業に追われている方々を毎日ニュースで見ています。
ひとまず底冷えの底は先日で過ぎ去ったとの事ですが、
早くこの大寒波が緩和される事を願います。
今日も治療時に自分の頭で
整理すべき六経弁証について、
理解していきたいと思います。
少陰病証については本証・変証を分けて記載します。
⑤少陰病証
心・腎の機能衰退を表す病証(陰・陽虚)
「脉微細にして、ただ寝ねんと欲す」
少陰病は外感病が重篤な段階に至った全身性の虚寒証・虚熱証で、
病証は心腎に限定されず、脾陽不足や肺陰不足が要因である場合もある。
少陰病の起源および伝変の仕方には3種類。
1.もともと陽虚があり、病邪が少陰を直中する。
2.他経の疾患の誤治があり、伝経する。
3.少陰病が熱化して陽明に転化し、激しい下痢を引き起こすか
寒化して厥すれば、厥陰に伝入する。
【1】少陰病本症
⑴少陰寒化症
心腎陽虚→陰寒内盛 心腎陽虚証(虚寒証)
本証は寒邪を感受した際に、これが正気虚寒のために表から裏に入り、
陽証から陰証に陥入したものである。
本証ではひどく陽気を損傷するが特に心腎の陽を損傷する。
【症状】
・陽気虚衰の為に心神不振
⇒精神不振・悪寒
・顔色蒼白・四肢不温
⇒陽虚の為に温運が悪くなって起こる
・下痢清穀、小便清長
⇒脾胃陽虚の為に固摂が悪くなる
・口不渇or乾いて少量の熱飲を好む
⇒熱邪が無い。陽虚の為に津が上昇しない為。
・ひどい場合は油のような冷汗が出、暈厥、呼吸困難が起こり脈不至
⇒亡陽気脱の象。陽衰気虚は寒邪によって引き起こされる。
・脈微細or沈or数にして無力
⇒陽気不足の為に心陽不振となり、血行を推動する力が不足
【弁証ポイント】
(ⅰ)神の状況:精神不振・寝ねんと欲す等の症状は、すでに陽気虚衰となっている
事を示している。
(ⅱ)脈象:微細無力
【鑑別ポイント】
※本証と太陰吐利症との鑑別
共に寒邪により起こる陽気虚衰の陰証である。
少陰寒化証:ひどい腹瀉・大量の水様便・完穀不可、手足厥冷
太陰吐利症:大便溏薄・腹瀉、手足温
※本証と太陽病初期のものとの鑑別
悪寒・顔色蒼白などの症状が共通に出現。
本証には精神不振が現れるが、太陽病にはみられない。
少陰寒化証:脈微細沈数無力、発熱が無く、重篤な時には仮熱が出現する。
太陽病初期:脈緊有力、皮膚をしばらく按じると熱感を感じたり速やかに発熱が起こる。
(2)少陰熱化症
腎陰消耗→心火亢盛→心腎不交 陰虚陽亢証(虚熱証)
本証は寒邪が化熱し、三陽証から三陰証に陥入したものである。
本証ではひどく陰液を損傷するが、特に心腎の陰を損傷する。
多くは外感熱病の後期に出現する。
【症状】
・発熱、不悪寒、発熱
⇒昼に軽く夜に強い
・熱邪が深く裏に入る
⇒舌質紅絳・脈数
・熱盛傷陰
⇒発熱・無汗・咽乾口燥・水を飲んでも乾きが改善しにくい・脈細・舌光剥
・腎陰損耗により水不済火となり、心神失養となる。
⇒意識が恍惚とし、心煩・不眠が起こり、ひどい場合は神昏となる。
・心悸、脈虚大or結代
⇒気陰両虚・陰精欲竭の危象
【弁証ポイント】
(ⅰ)発熱が昼に軽く夜に強いという、陰虚発熱に特有の熱型であること。
(ⅱ)咽乾口燥という熱盛傷陰による顕著な症状があること。
(ⅲ)心腎の症候である心煩・不眠があること。
【鑑別ポイント】
※本症と陰虚証との鑑別
共に陰虚による症状と熱性の症状が出現する。
太陰熱化証:外感病に属し表から裏に入るという過程を経るケースが大多数で、
発熱は昼に軽く夜に強い。
陰虚証:内傷雑病に属し、長期にわたる慢性病の様相を呈し、
また熱も煩熱や火照りであって発熱状態までは達しない。
※本症と肺胃陰虚証との鑑別
共に陰虚による症状・所見が出現するが両者の陰虚の程度には違いがある。
太陰熱化証:心腎陰虚であって傷陰の程度が重く、したがって水を飲んでも乾きが改善しなかったり
精神恍惚・不眠・神昏といった症状が出現する。
肺胃陰虚証:上記の症状は無く、咳嗽・食欲不振・気逆欲嘔といった症状が出現する。
紅露
参考文献:『中医診断学ノート』 東洋学術出版社
『中医弁証学』 東洋学術出版社
『中医病因病機学』 東洋学術出版社