こんにちは、為沢です。
先日、患者さまより何必館・京都現代美術館で開催中の
ロベール・ドアノー展のチケットを頂きました。
前から行きたいなと思いつつ、最近忙しくて行けなかったので
近々観に行ってみようと思います。
ドアノー氏の写真はピカソのポートレートくらいしか
知らなかったのですが、調べてみると どこかで見たことある
写真がチラホラありました。時代背景のせいでしょうか。
同じ世代のブレッソンやキャパと同様に
その写真から情熱や躍動感を感じます。
実際観に行くのが楽しみになりました。
Zさん、ありがとうございます。
また観に行った時の感想を御伝えしますね。
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では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)五十八章・五十九章。
五十八章では、汗吐下の各法を行うときの原則と目的について。
五十九章では、誤治により津液を傷つけた場合を弁証しております。
弁太陽病脈証并治(中)
五十八章
凡病、若發汗、若吐、若下、若亡血、亡津液、陰陽自和者、必自愈。
和訓:
凡そ病、若しくは発汗し、若しくは吐し、若しくは下し、
若しくは血を亡し、津液を亡し、陰陽自ら和するものは、必ず自ら愈ゆ。
汗吐下の三法はどれも実邪を攻めるために設けられたもの。
これを用いて的を得ない場合、亡血・亡津液となり、ひどい場合は様々な変証が出現する。
治療の目的はそもそも、病に対抗する正気を強くし、病に負けないよう
「陰陽自ら和す」ことができるように調えることである。
従って治療は、邪を取り除き正気を傷つけないようにすることが原則になる。
提要:
汗吐下の各法を行うときの原則と目的について
訳:
すべての疾病について言えることであるが、発汗法、或いは催吐法、或いは攻下法などを行えば、
陰血は傷亡し、津液は損耗するのだが、体内の陰陽二気を調和させることさえできれば、病は自然に癒える。
五十九章
・
大下之後、復發汗、小便不利者、亡津液故也、勿治之、得小便利、必自愈。
和訓:
大いに之を下して後、復た発汗し、小便利せざるものは、津液を亡すが故なり。
之を治すること勿かれ。小便利するを得れば、必ず自ら愈ゆ。
・大下之後、復發汗
下法の後に発汗法を行うのは、順番が逆であるため誤治にあたる。
・小便不利者、亡津液故也
このような治療を行えば必ず津液をひどく傷つけ、小便が出にくくなってしまう。
・勿治之、得小便利、必自愈
「勿治之」とは、この状態で小便が出にくいという症状を
利水の方法で治そうとしてはいけないことを述べており、
患者さんの陰陽のバランスが自然によくなってくるのを待てば、
津液は回復し小便も自然に出るように治る。
津液は傷ついているが、陽がなくなっていない場合、その津液は自然に回復する。
提要:
誤治により津液を傷つけた場合を弁証している訳:
強烈な攻下法を施した後、さらに発汗させ、その結果、津液が受傷消耗して小便が出なくなった場合は、
小便を出そうとしてはならない。津液が回復するのを待てば小便は出るようになり、病は自然に治癒する。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。
為沢