どうも為沢です。
2012年3月20日より東京国立博物館 平安館で
“ボストン美術館 日本美術の至宝” が開催されます。
修復を終え、日本初公開となる
曽我蕭白(そがしょうはく)の最高傑作『雲龍図』を
はじめ、長谷川等伯(はせがわとうはく)、
尾形光琳(おがたこうりん)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)などの手による、
かつて海を渡った日本美術の至宝が一堂に里帰りします。
巡回会場の日程を見ると、大阪には4月2日に来るとのこと。
あー、あと2ヶ月か…と思ったら大間違い。
よく見ると2013年4月2日〜と書いてはりました(泣)
残念ながら大阪は来年の2013年開催のようなので、
在阪の方はじっくり待ちましょう。
否。待てない場合は東京まで見に行くという手もアリやと思います。
興味があればの話ですが。はい
では、今回の傷寒論は弁太陽病脈証并治(中)五十六章・五十七章。
五十六章では、表裏の弁証法と治法について。
五十七章では、傷寒証を発汗させた後、
また煩症が生じる場合について詳しく述べております。
弁太陽病脈証并治(中)
五十六章
傷寒、不大便六七日、頭痛有熱者、
与承氣湯。其小便清者、一伝大便青。
知不在裏、仍在其表、当須發汗。
若頭痛者、必衄。宜桂枝湯。二十二。用前第十二方。
和訓:
傷寒、大便せざること六七日。
頭痛して熱あるものは、承気湯を与う。
其の小便清すめるものは、一つに大便青と云う。
裏を在らず、仍表に在りと知るなり。
当に須らく発汗すべし。若し頭痛するものは必ず衄す。
桂枝湯に宜し。二十二。前の第十二方を用う。
・傷寒、不大便六七日、頭痛有熱者、与承氣湯
「頭痛有熱」は太陽と陽明の表裏に共通する症状である。
傷寒証に罹り一週間近くも便が出ていない時、
陽明病ではないかと考え承気湯の類いを用いてしまう。
→
しかし病は傷寒より起こったのであるから 、
下法を用いるのはくれぐれも慎重にならなければならない。
・其小便清者、知不在裏、仍在其表、当須發汗
もし小便が澄んでいるなら裏に熱はない。
従って、頭痛がして熱があるというのは太陽に表邪があるために
起こったものなので、ここでは発汗法を用いるべきである。
・若頭痛者、必衄。宜桂枝湯
もし頭痛する場合は、必ず鼻血が出る。
なぜなら、頭痛は諸陽の会で陽気が多く、
ここに熱邪が盛んになれば必ず鼻血が出る。
その時は桂枝湯を用いて治すとよい。
桂枝湯こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上) 十二章・十三章(桂枝・芍藥・甘草・生薑・大棗)
提要:
表裏の弁証法と治法について
訳:
傷寒に罹り、もう六七日間も大便が出ず、
また頭痛して発熱がある場合は、承気湯を与えて大便を下せばよい。
ただし、もし患者の尿の色が稀ければ、
前別本では便が稀いと記載している。
裏には病がないので下すことはできない。
病はやはりまだ表にあるので、発汗法で治療しなければならず、
桂枝湯を用いるのがよい。
もし服用後も依然と頭痛がするなら、必ずや鼻出血が現れるだろう。
第二十二法。前記第十二法の処方を用いる。
五十七章
・
傷寒發汗巳解、半日許復煩、
脉浮數者、可更發汗、宜桂枝湯。二十三。用前第十二方。
和訓:
傷寒発汗し巳りて解し、半日許りにして復た煩し、
脉浮数なるものは、更に発汗すべし。
桂枝湯に宜し。二十三。前の第十二法を用いる。
・傷寒發汗巳解、半日許復煩、脉浮數者、可更發汗、宜桂枝湯
傷寒証を発汗により病が治ろうとしていたが、
半日も経つとまた発熱していらいらし
脈浮数を見る場合、表邪が完全に解けずに
内で停滞しているからで、やはり表を解いていくのがよい。
これは発汗法を用いたが表が完全に解けなかったので、
桂枝湯を用いて再度発汗をさせる。
・桂枝湯こちらを参照↓
【古医書】傷寒論を読む:弁太陽病脈証并治(上) 十二章・十三章(桂枝・芍藥・甘草・生薑・大棗)
・
提要:
傷寒証を発汗させた後、また煩症が生じる場合について
訳:
傷寒の患者を発刊させて病は除かれたが、
しかし半日程経つと病がぶりかえして心煩があり。
脈を診ると浮数であるなら、もう一度発汗させるとよく、桂枝湯が適している。
第二十三法。前記第十二法の処方を用いる。
参考文献:
『現代語訳 宋本傷寒論』
『中国傷寒論解説』
『傷寒論を読もう』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『傷寒論演習』
『傷寒論鍼灸配穴選注』 緑書房
『増補 傷寒論真髄』 績文堂
『中医臨床家のための中薬学』
『中医臨床家のための方剤学』 医歯薬出版株式会社
生薬イメージ画像:
『中医臨床家のための中薬学』 医歯薬出版株式会社
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。
為沢