布袋和尚の腹の如く

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診病奇侅の冒頭に記載されている
平人腹形にて。

「平人の腹と云は、
下ふくらにして、
恰（あたか）も布袋和尚の腹の如く、不弱不虚、
内外しつかりとして、
陽氣深く温順に、しはざらめかず、につとりして、
内に手のこたえありて、気外へ張り、
呼吸に片つりなく、上下次第あるをこそ、
平腹とは云べきなり、(白竹)」
(『診病奇侅』医道の日本社　より引用)

布袋さんは
いわずとしれた七福神の一人、
大きな袋がトレードマークの神さまですね。
禅画などの題材にもよくされておりますが、
たしかに丸々とした
いかにも健康そうなお腹がすっと浮かんできます。
内外、上下の運行、
腹の質感を巧みに表現しているように思います。

ちなみに
この「白竹」という人物に関して、
大塚敬節氏は、
多賀の薬師別当法印見宜白行院のことであるとしており、
『診病奇侅』の著者である多記元堅が
「行」を「竹」と誤ったのではないかとしております。

《参考文献》
『診病奇侅』医道の日本社