<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
当院でのコロナウイルスに対する工夫と処置の
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下野です。
今回は専門家向けに、軽く人物紹介を。
お休みの期間、
原南陽口授の『叢桂亭医事小言』を読んでいると
『医官玄稿』という言葉が多く出てき、
望月三英という江戸中期の奥医師によって記されたと
知ることができました。
正直、初めて聞く名前であったので
色々調べたところ、
石田秀実先生が30年以上前に書かれた論文(日本医史学会誌)に
辿り着くことができました。
そこで望月三英とは
・江戸中期の漢方医であり、法眼に叙せられた。
・江戸古方として京坂の吉益東洞と並び称されるが、
東洞流を排斥していた。
・富士川游著『日本医学史』に
「始メテ折衷ノ説ヲ唱導」と記されており、
内科は中国医学、外科はオランダ医学との分業を主張。
・中国医学ではなく、失われた日本独自の和医方の重要性を主張。
という人物であったようです。
にも関わらず、石田秀実先生のお言葉を引用すると
”余りまとまった論考がない”というほど
たしかになかなか情報が少ない方でした。
ただ望月三英が主張し、嘆いた
日本独自の方薬や優れた名医がいたはずなのに
秘伝主義故に失われたという和医方。
逆に秘伝だろうがなんだろうが
(と謳っているだけの者が殆どだと思いますが。)
オープンにしようとする風潮があるこのご時世を
どう思っているのでしょうか。。。
<参考文献・資料>
『望月三英と蘭方・和方』 石田秀実
『医官玄稿』 国立国会図書館デジタルコレクション
『日本医学史』 国立国会図書館デジタルコレクション
『江戸後期の医学の場合ー幕府医学館の学績を中心にー』 町泉寿郎