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こんにちは、為沢です。
今日は劉完素についてご紹介します。
劉完素
（1120年〜1200年）
字は守真といい、河間（河北河間県）の人で
出身地から後世に劉河間と呼ばれるようになりました。
劉完素は幼少より医書に親しみ、
25歳から内経の研究に没頭しました。
その優れた医術による名声は金代の皇帝の耳にも届き、
皇帝より3度に渡る招請があったが全てこれを断り、
常に民間の医者として医療活動を行ったと伝えられ、
彼は民衆から深い尊敬を受け
劉完素を記念する遺跡が今でも河間一帯に残されております。
劉完素は内経の理論と五運六気学説を結びつけ、
「火熱論」という学説を主張しました。
その要旨は、火熱が人体の多種の疾病を
もたらしている原因であるというものであり、
次の二つの説を強調しました。
“六気皆従火化”
六気の中で火熱は風・湿・燥・寒を生じる原因となり
風・湿・寒・燥は熱と化し火を生じる。
“五志過極皆為熱甚”
人間の精神・情緒・感情の影響を重視し、
激しい感情の変化が熱証の重要な要因になると考えました。
劉完素は
”須らく寒涼の味を知るべし”と主張したことにより
寒涼の薬を盛んに用いていた為、
後世の人は彼を寒涼派と呼ぶようになりました。
火熱病証についての彼の論述は後世に深い影響を与え
その業績は「熱病の宗は河間にあり」と
唱われるほどの評価を受けていた一方で、
彼の論述に異を唱える医家も出てきて
金・元の時代に様々な学説が主張されるようになり
中国医学の理論と臨床の両面で
大きく発展することになりました。
劉完素の主な著作
『内経運気要旨論』
『素問玄機原病式』
『黄帝病機気宣保命集』
『傷寒直格』
『傷寒医鑑』
『傷寒標本心法類萃』
『傷寒心要』
『保童秘要』
参考文献：
『東洋医学 基礎編』
『いちばんわかる！東洋医学のきほん帳』学研
『東洋医学概論』医道の日本社
『現代語訳◉黄帝内経素問』
『現代語訳◉黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』東洋学術出版社
アイキャッチ画像：
京都大学貴重資料デジタルアーカイブより
『素問玄機原病式』
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00003934
為沢
