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こんにちは、大原です。
前回は、三焦についてでした。
(前回 霊枢「邪気臓腑病形篇(第4)」より六腑の病③)
今回は膀胱についてです。
<原文と読み>
膀胱病者、小腹偏腫而痛、以手按之、即欲小便而不得。
(膀胱を病む者は、小腹偏腫して痛み、
手をもってこれを按ずれば、すなわち小便せんと欲して得ず。)
肩上熱、若脉陥、及足小指外廉及脛踝後皆熱。
(肩の上熱し、もしくは脈陥し、および足の小指の外廉、および脛踝の後皆熱す。)
若脉陥。取委中央。
(もしくは脈陥す。委の中央に取る。)
<意味>
膀胱の病の症状は小腹部が偏腫を発生して痛むものであります。
手をもって痛む処を按ずると、小便が出そうになるのだが出ません。
そして膀胱経の流注部の後背上が発熱したり
あるいは陥脈が発現したり、また足の小指の外側、脛骨と
足の踝後にすべて熱象が現れたり、
脈陥下の症状が出たりいたします。
これ等に対しましては、
すべて本経の合穴委中を取って之に刺鍼をいたします。
(『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』P.510〜 より抜粋)
「偏腫」:ある部分にかたよって浮腫を起こすことです。
「脈陥」:邪が脈中に陥する症状で、『素問』生気通天論篇(第3)に
「脈陥」は「癭(ろう)」をなすとあります。
原文から確認してみましょう。
<原文と読み>陥脉為瘻。
(脈、陥すれば瘻を為す。)
(『素問』生気通天論篇(第3)の中から抜粋)
この「瘻」ですが、
『鍼灸医学大系』では
「頸にできる腫れもの。かさ、るいれきの類」とあり、
さらに、この「るいれき(瘰癧)」とは、
辞書によると
「瘰癧(るいれき)は首のリンパ腺の腫れもの、結節性頚部リンパ節炎」
とあります。
以上から、脈が陥となれば、
首に腫れものができる病であると
書かれていることが分かります。
推測ですが、この腫れものは膀胱経上、すなわち
首の後部にできるものであると
筆者は伝えたかったのではないでしょうか。
ちなみに『基礎中医学』では、
この「瘻」は
「痰熱・風火時毒(流行性・季節性の疾患)が多い。」
(p.179より)とあり、
外因が主となりやすいと解説されています。
次回は、あともう一つの腑である胆についてです。
続きます。
■参考文献
『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』
『鍼灸医学大系① 黄帝内経素問 第1〜第4』 雄渾社
『現代語訳◉黄帝内経 素問 上巻』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 燎原
『CASIO EX-word DATAPLUS7』(電子辞書)