<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
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こんにちは、大原です。
今回は、『霊枢』の邪気臓腑病形篇(第4)より、
一番最後にある「腑」の病についてです。
臓腑の病については、『霊枢』の経脈篇にある
いわゆる是動病や所生病についての記述などが
基本書で多く取り上げられ、
この辺りは
あまり参照されていない印象があります。
ですが、読んでみると重要ではないかと思いました。
若干長いので、数回に分けていきます。
まずは原文と読みからです。
<原文と読み>
黄帝曰、願聞六府之病。
(黄帝曰く「願くは六府の病を聞かん」と。)
岐伯曰。面熱者、足陽明病。
(岐伯曰く「面熱する者は、足の陽明の病なり。)
魚絡血者、手陽明病。
(魚絡の血ある者は、手の陽経の病なり。)
両跗之上脉堅陥者、足陽明病。此胃脈也。
(両の跗上の脉堅陥なる者は、足の陽明の病なり。これ胃の脈なればなり。)
大腸病者、腸中切痛而鳴濯濯。
(大腸の病は腸中切痛して鳴ること濯濯たり。)
冬曰重感于寒即泄。
(冬曰重ねて寒に感ずれば即ち泄す。)
當臍而痛、不能久立。與胃同候。取巨虚上廉。
(臍に当たって痛み、久しく立つことあたわず。胃と候を同じくす。巨虚上廉に取るべし。)
胃病者、腹䐜脹胃脘當心而痛、上肢両脇膈咽不通。
(胃病む者は、腹䐜脹して胃脘心に当たって痛み、上肢両脇膈咽して通ぜず。)
食飲不下取之三里也。
(食飲下らざるはこれを三里に取る。)
(・・・以下「小腸」に続く。)
ここまでの意味ですが、以下、
『鍼灸医学大系』を抜粋します。
黄帝申すに、
「六府の病について説明を承りたい」と。
岐伯がお答え申し上げるよう、
「面が熱する者は足の陽明の病気であります。
手の魚際の下、陽渓・列欠の間に血絡のある者は、
手の陽明大腸経の病変であります。
両足の跗上の動脈、衝陽、解渓等の穴に
充実した豎の状態が出たり、
或いは虚弱となって陥下の状態が出るのは、
足の陽明胃経の病変であります。
大腸の病の症状は、
腸の中が切られるような激痛が起こり、
また水気が腸中を往来して
濯濯たる腹鳴がいたします。
冬の日、寒さに重感いたしますと、泄瀉を起こし、臍に当たって疼痛を生じ、
久しく立っていることができないようになり、
胃の病変と同じ様な症候を発生いたします。
このようば場合は胃経の巨虛上廉を用いて治療いたします。
胃の病の症状は、
腹部がパンパンに張り胃脘から心部にかけて痛み、
さらに上がって上肢や両脇の部分がこわばりつかえたようになり、
食飲したものは下がらなくなります。
このような症状に対しては足の陽明胃経の合穴、
三里を取って治療するのであります」と。
(『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』P.500〜)
ところどころ、
読み方や意味の分かりにくい漢字がありますが
辞書で調べていきますと
・豎(じゅ):しっかりと立てるの意。
・濯濯(たくたく)たる:ここでは、川岸で衣類を洗う際の水の出す音を形容しており、
他にも、光輝くさま、水で洗ったようにきよらかであざやかなさま、といった意味がある。
続きます。
■参考文献
『鍼灸医学大系⑭ 黄帝内経霊枢 第1〜第4』 雄渾社
『CASIO EX-word DATAPLUS7』(電子辞書)