<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
当院でのコロナウイルスに対する工夫と処置の
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どうも、新川です。
「湯治」という言葉があるように、
お風呂や温泉に入ること自体は養生法の一つとして
世間一般にも普及しております。
入浴や温泉に関していえば、
貝原益軒の著した養生訓が有名ですが、
その他にも、
後藤艮山の名前があげられます。
艮山は、
民間療法を推奨し、
特に温泉、熊胆(=くまのい。利胆作用などあり)、灸を重用したので、
周囲から
湯熊灸庵と呼ばれておりました。
彼自身の著作ではないのですが、
弟子が艮山の教えを表現した「師説筆記」の中に
“温泉ハ大概灸治ト同意ナリ”『師説筆記』(京都大学附属図書館所蔵)より抜粋
(意訳:温泉はおおむね灸治療と同じ様な効果がある)
とあります。
特に夏はクーラー、冷房の影響が多くありますので、
さっとシャワーを浴びるだけでなく、
しっかり肩まで湯船につかりたくなりますね。
ただ、私自身は身体の中に熱がこもりやすいので、
あまり長風呂は出来ません笑
このように、
一般的によいとされることでも
人によって負担になることもしばしばあります。
養生訓では
“入浴して宜しき症あり。あしき症あり。
よくもなく、あしくもなき症有。
凡此三症有。よくゑらんで浴すべし。
〜大酒大食をいむ。
湯治しても、後の保養なければ益なし。”
『貝原益軒養生訓』貝原守一博士校訂本 (中村学園大学メディアセンター所蔵)より抜粋
(意訳:入浴してよい症、わるい症、
よくもわるくもない症があるので、
それらをよく見極めて入りましょう〜
暴飲暴食を避けましょう。
湯治をしてもその後の養生が悪ければ効果を得られません。)
師説筆記には、
“入湯シ食ノスゝム時必過食スヘカラズ用心スベシ”
『師説筆記』(京都大学附属図書館所蔵)より抜粋
(意訳:入浴後、食欲が増したからといって食べ過ぎてはいけません。
よく注意してください。)
など温泉に入る際や入浴後の注意点などがしっかりと明記してあります
あくまで御自分の体調を踏まえて、
入浴、養生することが重要となってまいります。
以前、下野先生が掲載した
入浴に関する養生訓の記事もご参照下さい。
→【養生訓】熱いお風呂は注意せよ。
参考文献・資料
『日本医療史』 吉川弘文館
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『図説 東洋医学〈基礎篇〉』 学習研究社
『師説筆記』(京都大学附属図書館所蔵)
『貝原益軒養生訓』貝原守一博士校訂本 (中村学園大学メディアセンター所蔵)
涼しい風が吹いていました。