<当院でのコロナウイルス対策のご案内>
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こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回:東洋医学の未病と已病)
前回は、東洋医学で重要な考え方である「未病」と
その対義語である「已病」についての
大まかな説明をしました。
そもそも、「未病」や「已病」というキーワードは
東洋医学のバイブル『黄帝内経 素問』の中に
書かれているものが現代に伝わっているので、
その意味を
もとの『素問』の文脈(前後に書かれている内容)から
汲み取っていくことが大事だと思います。
というわけで、前回の記事で
触れていなかった『黄帝内経 素問』の内容の
続きをみていきましょう。
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聖人不治已病、治未病。不治已乱、治未乱、此之謂也。
(聖人、已病を治さずして、未病を治す。
已乱を治さずして、未乱を治すとは、これをいうなり。)
→前回の記事と重複しますが、
「聖人は、病が発症してから治療のことを考えるのではなくて、
まだ病が発症していないうちから
その病の原因を取り除いて予防するのである。
つまり、病の発症を未然に防いるため、
聖人にとって
すでに現れている病、
すなわち「已病」というものは無いため
「已病」は治さない」となります。
(分かりやすくするため、少しくどく書きました)
夫病已成而後薬之、乱已成而後治之、
(それ病すでに成りて後にこれを薬し、乱すでに成りてこれを治するは、)
→「病がすでに形成して発症したあとになってから薬の調合を考察し、
乱れたものが形成してからこれを治めるというのは、」
譬猶渇而穿井、鬪而鋳錐、不亦晩乎。
(たとえれば、なお渇して井をうがち、闘して錐を鋳るがごとし、またおそからずや。)
→「たとえるなら、水が無くなって喉が渇いてから
井戸を掘ることを思いつき、
戦争になってからやっと武器を造ることを考えるのと等しく、
それではあまりにも遅すぎるのではないだろうか。」
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ここで、未病と已病とを
『素問』では井戸や戦にたとえて
説明されていますが、
これをもう少し掘り下げてみます。
戦が始まってから
武器を造ることを考えるのは確かに遅すぎますが、
事前に準備するのは武器を調達することだけではなく、
その武器を使いこなせるように
兵士を訓練することが必要であったり、
兵士が足りなければ徴兵することも必要であったり、
どの部隊に兵士を配置するのかを決めたり、
など、やるべきことが沢山あります。
何かやりたいことがあれば、
そのやりたいことのために必要な準備などが出てくるのは
どんな事にもいえることです。
未病を防ぐ・取り除いておくという内容ですが、
解釈を少し拡げ、
自分にとってやらなければいけないこと、
やっておいた方が良いことなどを
普段から意識して
取り組んでおくこと、
そのような意識をもつことが重要だ
という内容にもなってきます。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』 東洋学術出版社
CASIO Ex-word XD-N7300
興味があおりでしたら、ぜひ参考文献もご一読ください。