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こんにちは、大原です。
梅雨も本格的になり、
うっとうしい季節になりましたが
いかがお過ごしでしょうか?
雨天が多いせいか、
電車よりも車で移動される人が
やや増えたように感じます。
さて、梅雨に入る前のブログ記事
「夏の過ごし方について」でお伝えしましたように、
『黄帝内経 素問』では
その季節に応じた過ごし方など
自然と人との関係などが書かれており、
季節に対する考え方が繰り返し出てきます。
そのあたりの内容を
今回はもう少しみていきましょう。
ちなみに、ここで「四時」とは「四季(季節)」のことです。
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『黄帝内経 素問』
四気調神大論篇(第2)の最後の方より
<原文と読み>
夫四時陰陽者、萬物之根本也。
(それ四時陰陽なるものは、万物の根本なり。)
所以聖人春夏養陽、秋冬養陰、以従其根。
(聖人の春夏に陽を養い、秋冬に陰を養うゆえんは、その根に従うをもってなり)
故与萬物沈浮於生長之門。
(ゆえに万物とともに、生長の門に浮沈す。)
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意味ですが、はじめに
四時(四季)陰陽とはあらゆるものの根本となる。
とあります。すなわち、季節や陰陽の考え方は、
あらゆるものの根本的な考え方になるので、
その考え方にしたがって
活動していくことが大事であると述べています。
さらに
「聖人」とありますが、これは
季節や陰陽の法則に従って活動し、
養生を生活の基礎とするような、
とても健康で病気とはまったく縁が無い
東洋医学のヒーローのような人の
イメージで良いかと思います。
その聖人が、
春・夏に陽を養い、秋冬に陰を養うのは
その根本的な道理に従うためですとあるので、
春や夏の季節は
陽を養うことがとても大事だとされています。
さて、ここでの「陽」とは何を指すのか、
何を「陰陽」とするかについての記述がなく、
「陽を養う」とは具体的に
どういうことなのかが分かりません。
確実なことは言えませんが
前回の「夏の過ごし方について」の記事の中で
「夏は氣をして泄らすを得さしめ、愛する所をして外にあるがごとし」
とあったことから、
陽:外向きの行動、発散させる
陰:休息、収束させる
というような行動・思考のことを
ここでは言っているのだと思います。
現代っぽく簡単に言い換えると
春や夏は、秋冬に比べてアクティブに動こう!
ということでしょう。(ちょっと軽いでしょうか・・・)
さらに続きますと
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逆其根、則伐其本、壊其真矣。
(その根に逆らえば、すなわちその本を伐ち、その真を壊すなり。)
故陰陽四時者、萬物之終始也、死生之本也。
(ゆえに陰陽四時なる者は、万物の終始なり、死生の本なり。)
逆之則災害生、従之則苛疾不起、是謂得道。
(これに逆らえばすなわち災害生じ、
これに従えばすなわち苛疾起こらず、
これを道を得るというなり。)
道者、聖人行之、愚者佩之。
(道なる者は、聖人はこれを行い、愚者はこれにそむく。)
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最後に、聖人に対する言葉として
「愚者」と出てきました。
この愚者はどういう人かというと、
だいたい想像がつくと思いますが、
文中の表現にのっとって表すと
「万物の終始であり、かつ死生の本である陰陽四時に従わない人、
陰陽四時に逆らっている人」
となります。
すなわち、聖人と違って
根本的な道理を知らない人、またはそれに従わずに行動・思考をする人
のことといえます。
後段の詳しい解説は省きますが、
「万物の終始」の意味について
詳しく知りたい方は
↓こちらの過去の記事をご参照ください。
『霊枢』の「終始」 その6
暑いですが、季節の特性などを知ることで
暑い夏を乗り切りたいものです。
参考文献
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』 東洋学術出版社
CASIO Ex-word XD-N7300
興味があおりでしたら、ぜひ参考文献もご一読ください。