下積み修行中の王くんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学んで参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。
こんにちは、王です。
前回に続いてホルモンについて解説していきます。
今回もホルモンの主な作用について書いていきます。
1)副腎
副腎は、腎臓の上端に接して左右一対(それぞれ7~8g)存在する扁平な
三角形の小器官です。副腎は髄質と皮質に分けられ、おのおの異なる
ホルモンを分泌します。
(1) 副腎髄質ホルモン
副腎髄質は副腎皮質に囲まれて存在し、クロム親和性細胞(クロマフィン細胞)
から大量のアドレナリン(エピネフリン)、わずかのノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、
ごくわずかのドパミンを分泌します。アドレナリン,ノルアドレナリン,ドパミンは
カテコール核を持つアミンなので、合わせてカテコールアミンといいます。
(ⅰ) 生理作用:アドレナリンとノルアドレナリンは、類似した種々に生理作用をもつが、
アドレナリンは心拍出量増加作用と血糖値上昇作用が著しく、ノルアドレナリンは
末梢血管収縮による血圧上昇作用が特に著しい。循環血中のドパミンの生理作用は
まだよくわかっていない。
❶循環系に及ぼす作用:アドレナリンは心筋の収縮力、心拍数を増加させる。
ノルアドレナリンは、総抹消抵抗を著しく増加させ、血圧を上昇させる。
❷血糖値に及ぼす作用:肝臓におけるグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させる。
❸遊離脂肪酸量に及ぼす作用:脂肪の分解を促して血中の脂肪遊離酸を増加させる。
❹代謝に及ぼす作用:遊離脂肪酸増加および血糖値上昇の結果、阻止の酸素消費量を
増加させて代謝を活発にする。それに伴って熱産生も増加する。
❺血管以外の平滑筋に対する作用:胃腸運動を抑制し、気管支を拡張させる。
(ⅱ)分泌調整:副腎髄質ホルモン分泌は、交感神経によって調節される。
血糖低下時、激しい筋運動時、著しい寒冷あるいは温熱刺激時、情動刺激時、
ストレス時などに交感神経の活動が亢進して分泌が急激に増加する。
このように生体が緊急事態に直面すると、副腎皮質からアドレナリンが分泌され、
闘争、防衛などの行動に都合のよいような身体の状態(血圧上昇,高血糖など)が
つくられる。これを緊急反応という。ノルアドレナリンは、副腎皮質から分泌されるのみではなく、
全身に分布する交感神経の終末からも分泌されるので、血中にはノルアドレナリンが
アドレナリンよりもはるかに多く存在する。安静状態では交感神経活動が低下して
カテコールアミン分泌も低下する。
(2) 副腎皮質ホルモン (コルチコステロイド)
副腎皮質からは、数種類のステロイドホルモンが分泌されます。
これらのホルモンは、糖代謝の調節や電解質代謝の調節、性ホルモン作用などを持つ。
特に糖代謝に対する作用の強いものを糖質コルチコイド(グルココルチコイド)、
電解質代謝に対する作用の強いものを電解質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)という。
男性ホルモン作用をもつものを副腎アンドロジェンという。
副腎皮質は、外側から顆粒層(球状層),束状層,網状層の3層に分けられる。
顆粒層からは主に電解質コルチコイド、束状層からは主に糖質コルチコイド、
網状層からは主に副腎アンドロジェンが分泌される。
①糖質コルチコイド
糖質コルチコイドの主なものは、コルチゾールとコルチコステロンである。
(ⅰ)物質代謝に対する作用:肝臓での糖新生を促進し、血糖値を上昇させる。
タンパク質や脂肪の分解を促進する。
(ⅱ)抗炎症・抗アレルギー作用:炎症やアレルギー症状を抑える。
(ⅲ)許容作用:カテコールアミンの脂肪分解効果や血圧上昇などの発現には、
糖質コルチコイドが少量必要である。
(ⅳ)胃に対する作用:胃液の酸およびペプシンの分泌を促進し、粘液分泌を抑制する。
そのため、糖質コルチコイド分泌が長時間蔵かすると胃潰瘍を起こしやすい。
(ⅴ)その他:抗ショック作用など、種々のストレス刺激に対する抵抗力を高める作用をもつ。
分泌調整:糖質コルチコイドの生成・分泌は、下垂体前葉のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
によって促進される。ACTHの分泌は視床下部ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
(CRH)によって促進される。一方、糖質コルチコイドは視床下部や下垂体前葉に作用し、CRHや
ACTHの分泌を抑制する(負のフィードバック機構)。種々のストレス刺激はCRH-ACTH系を介して
糖質コルチコイドの分泌を促す。
②電解質コルチコイド
電解質コルチコイドの代表的な物質は、アルドステロンである。
(ⅰ)腎臓の主に集合管に作用してNa+再吸収を増大させ、K+の排泄を促す。
(ⅱ)Na+再吸収促進に伴い、水分も再吸収されるため、細胞外液量を増加させる。
分泌調整:血圧低下や循環血液の減少、血中Na+濃度の低下に伴い、腎臓の糸球体近接細胞
からレニンが分泌される。レニンは、血中のアンジオテンシノジェンをアンジオテンシンⅠに
変換する。アンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素によってアンジオテンシンⅡに
変換される。アンジオテンシンⅡは、副腎皮質に作用して、アルドステロンの分泌を促進させる。
③副腎アンドロジェン
副腎皮質から分泌されるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)などは、身体を男性化する
作用があるが、活性は弱い。副腎アンドロジェンの分泌は糖質コルチコイドと同様に、
CRH-ACTH系によって調節される。
※分泌異常
⒈副腎皮質機能低下
糖質コルチコイド、電解質コルチコイドの分泌低下によってアジソン病が起こります。
症状としては、皮膚の色素沈着、低血圧、低血糖、心筋萎縮、Na+の過剰排泄などがみられます。
⒉副腎皮質機能亢進症
1. クッシング症候群:糖質コルチコイドの過剰分泌によって起こります。満月様の丸顔や
中心性肥満(体幹のみの肥満)となり、体内タンパク質の減少、高血糖、高血圧、精神障害を伴います。
2. コン症候群:電解質コルチコイドの過剰分泌によって起こります。Na+の貯留、K+低下が起こり、
多尿、多飲、高血圧、虚弱などの症状を示します。
3. 副腎性器症候群:副腎アンドロジェンの分泌過剰によって起こります。女性では体型の男性化
が起こります。思春期前の男性においては、精巣が未熟であるのに、第二次性徴のみが早熟します。
王
参考文献:『生理学』 (医歯薬出版株式会社)
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。