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こんにちは、大原です。
前回は『霊枢』終始篇の三刺についての
記述をみていきました。
『霊枢』の終始 その10
その続きになります。

<原文>
陰盛而陽虚、先補其陽、後寫其陰而和之。
陰虚而陽盛、先補其陰、後寫其陽而和之。

<読み>
陰盛んにして陽虚するは、先ず其の陽を補し、後其の陰を寫してこれを和す。
陰虚して陽盛んなるは、先ず其の陰を補して、後其の陽を寫してこれを和す。

ここで「」と「」との比較が出てきています。
ここの「」が
具体的に何を指しているのか分かりにくいですが、
『鍼灸医学大系』(第15巻 826ページ)の訳では
脈口の方が人迎の脈より大、すなわち陰が盛んであって
陽の虚している場合には、
まずはじめに陽経の方を補して後に陰経の方を瀉して調和し、
もし人迎の方が脈口より大すなわち陽が盛んであって
陰が虚している場合には
まずはじめに陰経の方を補して後に陽経の方を瀉して調和するのである
と、あり、
寸口部の脈:陰人迎部の脈:陽
陰経:陰陽経:陽
とされています。

ちなみに他の本での解説をみますと
陰=陰脈陽=陽脈 などと
訳されていたりします。

抽象的な語句の意味は
その前後の文章から類推していくしかありませんので、
霊枢など鍼灸の古典の解説本を読むときには
日本語訳の文だけでなく
原文か書き下し文も参照した方が良いですね。
日本語訳には無い、
新しい発見があるかも知れません。

続きます。

町中にある花壇が華やかでした
町なかにある花壇が華やかでした

参考文献
『鍼灸医学体系 黄帝内経霊枢』第15巻 雄渾社
『現代語訳◉黄帝内経素問 中巻』 東洋学術出版社

ご興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。

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