こんにちは、大原です。
前回(鍼灸甲乙経を読む その57)の
続きです。

前回の内容は、
陰陽の過多によって人を5つのパターンに分け、
そのそれぞれの治療法について記されたものであることは
その内容からも分かったと思います。
今回の内容は
それぞれの思慮・行動の傾向について述べられてます。
現代でいう性格判断のような感じでしょうか。
ではみていきましょう。

<原文>
太陰之人、其状黮黮。然黒色、念然下意、臨臨然長大、膕、然未僂。

少陰之人、其状清然竊然、固以陰賊、立而躁嶮、行而似伏。
太陽之人、其状軒軒儲儲、反身折膕。
少陽之人、其状立則好仰、行則好搖其兩臂兩肘則常出於背。
陰陽和平之人、其状委委然、隨隨然、顒顒然、袞袞然、豆豆然、衆人皆曰君子。

<読み>意味

太陰の人、其の状黮黮然として色黒く、
念然として意を下し、臨臨然として長大なり。

膕然るにいまだ僂めず。
(太陰に属する人はその皮膚の色が桑の実のような黒い色をしており、
自己の気持ちは深くしまいこんでいてはっきり発表せず、
身体は長大でいつも上から見下ろすような下目づかいであるが、
膝をかがめるわけでもありません。)


少陰の人、其の状は清然竊然たり、固より陰賊をもってす。
立ちて躁嶮、行して伏するに似たり。

(少陰の人は、その外見は非常に高清のように見えますが、
その真実はかげの方ではこそこそと何事かをしているような性格に見える人であります。
この人はもともと人をそこなうような気持ちのある人達で、一面で陰険な心を持ちながら、
他面では非常に従順そうにふるまうものです。)

太陽の人、其の状軒軒儲儲たり。身を反して膕を折る。
(太陽に属する人の外貌は、頭を高くあげて自慢し(自得)
自分はもっているという驕りや自慢のようで、
上半身を反り返らせ膝を曲げるような姿勢で
いばった様子をしています。


少陽の人、其の状立つときは則ちよく仰ぎ、行くときは則ちよく搖さぶり、
その両臂両肘は則ち常に背に出だす。
(少陽の人は、その性状は立っているときにはよく天上を仰ぎ、
歩くときにはよく身体を揺さぶり、
その両臂両肘は大きく背の後に出るほど振って歩きます。)


陰陽和平の人、其の状委委然たり、隨隨然たり、顒顒然たり、袞袞然たり、豆豆然たり。
衆人は皆君子という。
(陰陽和平に属する人の状態は、
何もかもすっかり自得して居られるような態度でよく周囲の環境にしたがい、
おだやかで温かみのある性格であり、
常ににこにことしてわだかまりの無い姿をしてしかも顔かたちは美しく、
また泰然として一糸乱れざるの状態であります。
ですから衆人は皆君子と申します。)

次回に続きます。
次回の内容は
『霊枢』の陰陽二十五人(64)から抜粋したものになります。

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心斎橋本院近くの「串カツ田中」にて。
この日は鶏の手羽先などが食べ放題でお得でした!色々食べ放題があるようです。

参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
『基礎中医学』 燎原

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

大原

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