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【お知らせ】年末年始の鍼灸施療
どうも、新川です。
松下幸之助さんの著書
『道をひらく』を読み返してみました。
その中の一節
「真実を知る
人間は、ものの見方一つで、どんなことにも堪えることができる。
〜(中略)〜
ただ、この、ものの見方を正しく持つためには、
人間は真実を知らねばらならないし、
また真実を教えなければならない。
つまり、ものごとの実相を知らねばならないである。〜」
(『道をひらく』PHP研究所より一部抜粋)
厳しくも力強い言葉です。
さて、ここからが本題です。
前回に引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。
前回までの記事はこちら
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ一
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ二
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風懿候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風口噤候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風舌強不得語候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風失音不語候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痙候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の角弓反張候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の口喎候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 柔風候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痱候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の腲退候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風偏枯候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の身体手足の不随候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の半身不随候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 偏風候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 亸曳候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の不仁候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 賊風候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風湿候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痺候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風湿痺候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の四肢拘攣で屈伸し得ざるの候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痺の手足不随候
《原文》
風寒湿三気、合而為痺。
其三気時来、亦有偏多偏少、而風湿之気偏多者、名風湿痺也。
人腠理虚者、則由風湿気傷之。
搏於血気、血気不行、則不宣、真邪相撃、在於肌肉之間、故其肌膚尽痛。
然諸陽之経、宣行陽気、通於身体、風湿之気、客在肌膚、初始為痺。
若傷諸陽之経、陽気行則遅緩、而機関弛縦、筋脈不収摂、故風湿痺而復身体手足不随也。
風寒湿の三邪が合わさって人を傷害して痺証となる。
この三気はいつも一緒にやってくるが多かったり少なかったりの偏りがある。
風と湿の邪が多いものを風湿痺と名づける。
皮膚の腠理が虚弱であるものは風湿の邪の侵襲を受け易くて傷害されるところとなり、
風湿の邪と血気が相争って、血気が阻滞され宣通することができず、
正気と邪気が肌肉の中で争奪の闘争をするので肌膚がことごとく痛くなる。
身体の諸陽の経は陽気を宣通させて全身に通達しているものである。
もし風湿の邪気が肌膚に停留すれば初めは単なる痺証となるが、
風湿の邪気がさらに深く侵襲して諸陽経を傷害すれば陽気の運行は遅緩となり、
そのため関節は弛緩し、筋脈は収縮することができなくなる、
したがって風湿痺にさらに身体及び四肢の不随を伴うようになる。
→風湿の邪が四肢不随を起こす機序を説明している。
これまでに掲載した
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痺候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風湿痺候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の四肢拘攣で屈伸し得ざるの候
・【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痺の手足不随候
なども同じく病理的に共通する点がある。
参考文献:
『東洋医学概論』医道の日本社
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』
『中医学の基礎』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。