こんにちは。新川です。
早いもので、師走に突入しました。
年末は姪っ子たちの顔を見に金沢に帰ろうかと思います。
さて、金沢といえば、様々な名所がありますが、
やっぱり近江町市場です!
兼六園や金沢城、21世紀美術館もいいですが、
金沢の『人』の活気を感じられるのは、
ここが一番ではないでしょうか。
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さて今回は、
八正神明論篇についてです。
今回は、八正神明論篇について綴って参ります。
本来ならここにまとめてある以上の内容がありますが、
なるべく分かりやすくするため、
一部を抜粋して表現させて頂いております。
【八正神明論篇 第二十六】
本篇の要点として、
人体の血気は自然界の変化と密接に関係する
ことが挙げられる。
黄帝が問う。
「用鍼の技術には
必ず一定の方法、準則があるはずだが、
それはいったいどのような方法、
どのような準則なのだろうか。」
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岐伯が答える。
「それは
一切の自然現象(天地日月を含む)の変遷、推移を通じて体得すべきものです。」
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黄帝がいう。
「どうか詳しくお教え願いたい。」
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岐伯がいう。
「およそ鍼を刺す方法は、
必ず日月・星辰・四時・八正の気候を観察し、
それにもとづいて行うべきです。
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☆天気が温暖なときには、鍼治療を逡巡してはなりません。
→気候が温和で日の光が明るいときには、
人の血液も潤滑に流れ、
衛気も体表に浮上しているために、
血は瀉しやすく、気は体内を行りやすいのです。
★天気が寒冷なときには、鍼を刺してはなりません。
→気候が寒冷で陰鬱な天気のときには、
人の血気も凝滞し、衛気も体内深く沈みます。
★月が初めて生じたときには、瀉法を施してはなりません。
→月が初めて生じるとき、血気も滑らかに流れはじめ、
衛気ものびやかに行りはじめます。
新月が初めて生じたときに瀉法を施すと、内蔵を虚弱にします。
★満月のときに補法を施すと、血気が体表に充溢し、
絡脈中の血液をとどこおらせ、重実とよばれる症状を引き起こす。
→月が満ちて満月になると、血気は充実し、
筋肉も堅くしまります。
★闇夜のときに刺法を施すと、経気を撹乱し、
乱経とよばれる症状を引き起こす
→月が欠け闇夜になると、
筋肉は比較的痩せ衰え、経絡は空虚に、衛気も減退し、肉体だけが残ります。
これがいわゆる天の時にしたがって血気を調える法則です。
天体の運行の順序には、
満ち欠け盛虚の推移があります。
したがって日影の長さを観察すれば、
四時・八正の気を定めることができます。」
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「星辰に法り
身体を調える道理に関しては、私はすでに知っている。
先人に見習うにはどのようにすべきか、
それをぜひお聞かせ願いたい。」
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岐伯がいう。
「先人の学問技術を学び運用するには、
まず『鍼経』を理解する必要があります。
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古人の経験を現在に生かそうと思うならば、
まず、日の寒温、月の盈虚〔によって〕、四時気候の変化を知り、
それに法って患者に治療を施すことです。
そうしたならば、これが確実・有効な方法であると気づくはずです。
黄帝問曰、用鍼之服、必有法則焉。今何法何則。
岐伯対曰、法天則地、合以天光。
帝曰、願卒聞之。
岐伯曰、凡刺之法、必候日月星辰四時八正之気、気定乃刺之。
是故天温日明、則人血淖液、而衛気浮。故血易写、気易行。
天寒日陰、則人血凝泣、而衛気沈。
月始生、則血気始精、衛気始行。
月郭満、則血気実、肌肉堅。
月郭空、則肌肉減、経絡虚、衛気去、形独居。是以因天時、而調血気也。是以天寒無刺。天温無疑。月生無写。月満無補。月郭空無治。是謂得時而調之。因天之序盛虚之時、移光定位、正立而待之。故日、月生而写、是謂蔵虚。月満而補、血気揚溢、絡有留血。命曰重実。月郭空而治、是謂乱経。
陰陽相錯、真邪不別。沈以留止、外虚内乱、淫邪乃起。
帝曰、星辰八正何候。
岐伯曰、星辰者、所以制日月之行也。
八正者、所以候八風之虚邪以時至者也。
四時者、所以分春秋冬夏之気所在、以時調之也、八正之虚邪而避之勿犯也。
以身之虚而逢天之虚、両虚相感、其気至骨。入則傷五蔵。工候救之、弗能傷也。
故曰、天忌不可不知也。
帝曰善。
其法星辰者、余聞之矣。願聞法往古者。
岐伯曰、法往古者、先知鍼経也。
験於来今者、先知日之寒温、月之虚盛、以候気之浮沈、而調之於身、観其立有験也。
観其冥冥者、言形気栄衛之不形於外、而工独知之。
以日之寒温、月之虚盛、四時気之浮沈、参伍相合而調之。
工常先見之。然而不形於外。
故曰観於冥冥焉。通於無窮者、可以伝於後世也。
是故工之所以異也。然而不形見於外。故倶不能見也。視之無形、嘗之無味。故謂冥冥、若神髣髴。
虚邪者、八正之虚邪気也。正邪者、身形若用力、汗出腠理開、逢虚風。
其中人也微、故莫知其情、莫見其形。上工救其萌牙。必先見三部九候之気、尽調不敗而救之。
故曰上工。下工救其已成、救其已敗。救其已成者、言不知三部九候之相失、因病而敗之也。知其所在者、知診三部九候之病脈処而治之。
故曰守其門戸焉。莫知其情、而見邪形也。
帝曰、余聞補写、未得其意。
岐伯曰、写必用方。
方者、以気方盛也、以月方満也、以日方温也、以身方定也、以息方吸而内鍼。乃復候其方吸而転鍼、乃復候其方呼而徐引鍼。
故曰写必用方、其気而行焉。補必用員。員者、行也。行者、移也。
刺必中其栄、復以吸排鍼也。故員与方、非鍼也。
故養神者、必知形之肥痩、栄衛血気之盛衰。血気者、人之神、不可不謹養。
帝曰、妙乎哉論也。合人形於陰陽四時、虚実之応。冥冥之期、其非夫子、孰能通之。
然夫子数言形与神。何謂形、何謂神。願卒聞之。
岐伯曰、請言形。形乎形、目冥冥、問其所病、索之於経、慧然在前。按之不得、不知其情。故曰形。
帝曰、何謂神。
岐伯曰、請言神。神乎神、耳不聞、目明、心開而志先。慧然独悟、口弗能言、倶視独見。適若昏、昭然独明、若風吹雲。
故曰神。三部九候為之原。九鍼之論、不必存也。
参考文献:
『黄帝内経素問 上巻—現代語訳』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『素問ハンドブック』 医道の日本社
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