こんにちは、為沢です。

遅くなりましたが、私2020年初投稿でございます。
本年度も宜しくお願い申しあげます。

では、『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:病邪雖實胃氣傷者勿使攻擊論 其之三

又一婢,色紫稍肥,性沉多憂,年近四十,經不行三月矣。
小腹當中有一氣塊,初起如慄,漸如炊餅。
予脈之,兩手皆澀,重取卻有。
試令按其塊痛甚,捫之高半寸,遂與千金消石丸。
至四五次,彼忽自言乳頭黑且有汁,恐有娠。
予曰:非也,澀脈無孕之理。又與三五帖,脈之稍覺虛豁。
予悟曰:藥太峻矣,令止前藥。
與四物湯倍加白術,佐以陳皮。
至三十帖,候脈完再與消石丸。
至四五次,忽自言塊消一暈,便令莫服。
又半月,經行痛甚,下黑血半升,
內有如椒核數十粒,乃塊消一半,又來索藥,以消餘塊。
餘曉之曰:勿性急。塊已開矣,不可又攻。
若次月經行當盡消矣。

『格致餘論注釈』訳を使用:
また一人の婢は、肌の色が紫がかっていてやや太っており、
その性格は沈みがちで憂いが多く、年は四十近い。
月経が三ヶ月ほど無く、小腹の真ん中に一つの気の塊があり、
初めは栗ほどの大きさだったが、段々炊いた餅のようになってきた。
私が脈を見ると、両手ともみな渋であったが、強く押しても(脈は)あった。
試しにその塊を押すと痛みが激しく、
さすってみると、高さ半寸ほどあり、そこで千金消石丸を与えた。
四、五回投与すると、彼女は乳頭から黒ずみ汁が出てきたので、
妊娠したのではないかと言いだした。
私は「いや、違う。渋脈の時に妊娠しているという理はない」と言った。
また、三、五服与えて脈をはかってみると
やや虚豁であると感じられた。
私は気づいて「薬が強すぎる」と言った。
そこで前の薬を止めさせ、四物湯に白朮を倍加え、陳皮を佐薬とした。
三十服飲んだところで、脈を見ると完全であったので、再び消石丸を与えた。
四、五回すると急に塊が一回小さくなったと言いだしたので、服用を止めさせた。
さらに半月経つと、月経の際に痛みがひどくなり、
黒い血を半升ほど下したが、その中に胡椒の核のようなものが数十粒あり、
塊が半分ほどなくなった。
残りの塊を消そうとして、また私の所へ薬をもらいに来た。
私はこれを諭して「慌てないように。塊は既に開かれたのだから、
さらに攻めてはいけない。次の月経になればすべて消えるだろう」と言った。


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

カピバラ
カピバラ

カピバラってねずみに分類されるようです。
今年は子年。なのでカピバラです(笑)

為沢

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