年末年始の予定はこちらです↓
【お知らせ】年末年始の鍼灸施療
こんにちは、大原です。
前回の続きです。
(前回の記事:鍼灸甲乙経を読む その52)
望診についてですが、
前回までは『霊枢』五色篇(49)の内容と一致していましたが、
今回からは『素問』の内容と一致しております。
今回の部分は
『素問』脉要精微論篇(17)にある内容になります。
<原文>
夫精明五色者、氣之華也。
赤欲如白裹朱、不欲如赭。
白欲如鵞羽、不欲如鹽。
青欲如蒼璧之澤、不欲如藍。
黄欲如羅裹雄黄、不欲如黄土。
黒欲如重漆色、不欲如地蒼。
五色精微象見矣、其壽不久也。
続いて、『素問』五藏生成論篇(10)の内容になります。
<原文>
青如草茲者死。
黄如枳實者死。
黒如炱者死。
赤如衃血者死。
白如枯骨者死。此五色之見死也。
青如翠羽者生。
赤如雞冠者生。
黄如蟹腹者生。
白如豕膏者生。
黒如烏羽者生。此五色之見生也。
生於心如以縞裹朱。
生於肺如以縞裹紅。
生於肝如以縞裹紺。
生於脾如以縞裹栝樓實。
生於腎如以縞裹紫。
此五藏所生之外榮也。
凡相五色之奇脉、
面黄目青、面黄目赤、面黄目白、面黄目黒者、皆不死也。
面青目赤、面赤目白、面青目黒、面黒目白、面赤目青、皆死也。
<読み>
それ精明五色なる者、氣の華なり。
赤は白に朱を裹むがごときを欲し、
赭(そほ、あかつち)のごときを欲せず。
白は鵞羽のごときを欲し、鹽のごときを欲せず。
青は蒼璧の澤ごときを欲し、藍のごときを欲せず。
黄は羅に雄黄を裹むがごときを欲し、黄土のごときを欲せず。
黒は重漆の色のごときを欲して、地蒼のごときを欲せず。
五色精微の象見わるるや、その壽久しからずなり。
ここでは、目と顔の色について記されています。
はじめに
「眼の精光・顔色とは、生体の内における神や
精気の状態が反映して体表に現れる気の華である」
と述べられており、
つまり、顔色の状態を見れば、
その人の健康状態を知ることができるということです。
顔色について、
好ましい色と好ましくない色について書かれており、
「赤は、白い布で朱を包んだような色が好ましく、
赤土のようなくすんだ色は好ましくない。
白は、ガチョウのようなつやつやとしたものが好ましく、
塩のようなくすんだものは好ましくない。
青は、蒼璧(青色のたまをいうようです)のような色が好ましく、
藍のようなつやのない色は好ましくない。
黄色では、硫黄(イオウ)をうすぎぬに包んで外部から見えるような色が好ましく、
黄土のような色は好ましくない。
黒は何回も漆を重ねて塗って、つやの出た黒さが好ましく、
地面のような青黒いような黒は好ましくない。
五色の精彩がかすかになっていくのは、
その寿命が長くないものである。」
と書かれています。
長くなりましたので
続いての
『素問』五藏生成論篇(10)の内容は
次回になります。
参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
『基礎中医学』 燎原
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。
大原