こんにちは、為沢です。

では、『格致餘論』の続きを紹介して参ります。


格致餘論:痎瘧論 其之一

《內經》謂夏傷於暑,秋傷於風,必有痎瘧。痎瘧,老瘧也。
以其隔兩日一作,纏綿不休,故有是名。
前賢具有治法,然皆峻劑。有非稟受性弱,與居養所移者所宜用也。
惟許學士方有用參、芪等補劑,而又不曾深論,後學難於推測。
因見近年以來,五十歲以下之人,
多是怯弱者,況嗜欲縱恣,十倍於前。
以弱質而得深病,最難為藥。
始悟常山、烏梅、砒丹等為劫痰之劑,
若誤用之,輕病為重,重病必死。何者?

『格致餘論注釈』訳を使用:
『内経』に「夏は暑さにそこなわれ、秋は風にそこなわれると、
必ず痎瘧(おこり)に罹る」とある。痎瘧とは、老瘧のことである。
二日をあけて一回発症し、いつまでたっても止まらないのでこの名(老瘧)がある。
前賢にはいずれも治療法があるけれども、
どれも劇しい薬なので、生まれつき(心身の)性質が弱い人や、
居住している場所で目上の人々に仕えるのに苦労している人には、
服用するのにふさわしくないことがある。
ただ許学士の処方には人参・黄芪などの補剤を用いているが、
これについてはこれまで全く議論が深められておらず、
後代の学ぶ者はそのわけを測りかねていた。
近年このかた、五十歳以下の人を見たところ、
多くは生まれつきの性質が弱い人であり、
まして以前よりも十倍も欲望が放縦になっていることから、
弱い体質を持ったまま身体深くまで達する病気になってしまい、
薬を処方するのがこの上なく難しくなっている。
そこでようやく、常山、烏梅、砒丹などの痰を取り除く薬は、
もし誤って使用すると、軽い病気を重くしてしまい、
重い病気は必ず死なせてしまうことがわかった。なぜだろうか?


参考文献:
『格致餘論注釈』 医聖社

増長天(東大寺大仏殿)
増長天(東大寺大仏殿)

“増長天”という五穀豊穣を司っている守護神です。
東大寺にて、首から上だけ展示されてました(怖)

為沢

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