<近日開催予定のイベント情報>
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こんにちは、為沢です。
古来より伝わる古代九鍼を御紹介します。
今回は大鍼です。
『霊枢』九鍼十二原篇 第一
“九曰大鍼、長四寸。
…大鍼者、尖如挺、其鋒微員、以寫機關之水也。”
和訓:
九に曰く、大鍼、長さ四寸。
…大鍼なる者は、尖は挺の如く、其の鋒は微員にして、以て機関の水を写すなり。
現代語訳(現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻より):
第九は大鍼といい、長さ四寸。
…大鍼は、鍼先は尖って鍼身はやや太く、杖のような形状をしており、
先端は微かにまるく、関節に溜まった水を瀉すのに用います。
『霊枢』九鍼論篇
“九者野也。野者、人之節解、皮膚之間也。
淫邪流溢於身、如風水之状、而溜不能過於機關大節者也。
故爲之治鍼、令小大如挺、其鋒微員、
以取大氣之不能過於關節者也。”
和訓:
九なる者は野なり。
野なる者は、人の節解、皮膚の間なり。
淫邪の身に流溢すると、風水の状の如く、
而して溜の機関大節を過ぎる能わざる者なり。
故にこれが治療を為すに、尖をして挺の如く、
其の鋒をして微や員からしめ、
以て大氣の関節を過ぎる能わざるを取る者なり。
現代語訳(現代語訳◉黄帝内経霊枢 上巻より):
九の数は、九野になぞらえて象っています。
九野は、人体においては全身の関節空隙と皮膚の間に対応しています。
邪気が盛んになりすぎて全身に蔓延しますと、浮腫が現れ、
風水のような状態になります。
これは水気の流注が関節を通過できないために、皮下に水がたまって腫れるのです。
したがって、大鍼を採用し、その形状は鍼尖を杖のようにし、
きっさきを少し円くし、鍼身を大きくします。
瀉法に適用して、関節を通利させ、大気をめぐらせます。
気がめぐれば、たまっていた水も自然に排除されます。
今回は大鍼です。
大鍼は関節などに溜まった水種を抜く為に使ったと思われます。
鍼先は円錐形、先端は丸くしたもので
刺した鍼の穴がしばらくの間塞がらないぐらい
太いものであったと考えられます。
為沢