<近日開催予定のイベント情報>
11月10日(日)に学生向け勉強会を開催します。
詳しくはこちら→https://www.1sshindo.com/blog/zenith19132/


どうも、新川です。

岩清水と苔
岩清水と苔

しとしとと流れ落ちる雫
ぼーっと見続けてしまいます


さて、ここからが本題です。

前回に引き続き、
巣元方らが著した
諸病源候論を読んでいきたいと思います。

前回までの記事はこちら
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ一
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 中風候 其ノ二
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風懿候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風口噤候 
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風舌強不得語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風失音不語候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痙候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の角弓反張候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の口喎候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 柔風候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風痱候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の腲退候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風偏枯候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の身体手足の不随候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の半身不随候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 偏風候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 亸曳候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 風の不仁候
【古医書】諸病源候論 風病諸侯(上) 賊風候


《原文》
風湿者、
是風気与湿気共傷於人也。
風者、八方之虚風、湿者、水湿之蒸気也。
若地下湿、復少霜雪、其山水気蒸、兼値暖、腲退、
人腠理開、便受風湿。
其状令人懈惰、精神昏憒。
若経久、亦令人四肢緩縦不随。
入臓則喑啞、口舌不収、或脚痺弱、変成脚気。



風湿病は風邪と湿邪が共同して人を傷しておこるものである。
風邪とは正常でない方位から来た有害な風であり、
湿邪とは水気が蒸発した湿気である。
もし地下の湿気があり、
また時にはいくらかの霜や雪があったり、
さらに附近の山水の湿気などがあり、
そこに温暖な天気が加わって蒸騰し、
人をして筋肉を軟弱無力にさせ、
皮膚の汗腺が開き、すなわち風湿を感受することになる。
その病候は人をして倦怠無力にさせ、
精神をぼんやりさせる。
もしその病状が長引けば人の四肢を弛緩させ随意運動ができなくならせてしまう。
病邪が内臓にまで侵入すると失音し、
口舌はしまりがなくなってしまい、
或いは両脚が痺痛し痿弱になり、
転じて脚気病になることがある。

———————————————————————————
ここでいう「風湿」とは、
一般的な風湿証とは同じではなく、
「其山水気蒸、兼値暖、腲退」や
「或脚痺弱、変成脚気」などの文言から、
脚気病の類証だといえる。


参考文献:
『東洋医学概論』医道の日本社
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中国医学の歴史』
『中国鍼灸各家学説』
『中医学の基礎』東洋学術出版社
『校釈 諸病源候論』緑書房

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here