下積み修行中の木村さんのお勉強記事です。
勉強不足で至らない内容ですが、
少しずつ学び成長して参りますのでお許し下さい。
不出来なところもあるかと思われますが、
成長とともに少しずつお返しして参りますので
どうか見守り 応援してやって下さい。


実証の不眠

実症の不眠には急性に発症する事が多く、邪が心神を擾乱して生じ、
一般的に熱が悪くじっとしていられない・
欝熱・心火・痰熱などの区別があります。
治法は清熱瀉火・清熱化痰などで邪を除けば心神も自ずと安定します。

①痰火擾心証

<症状・証状分析>
眩暈・胸悶・心煩
口渇
不眠・心悸
顔の紅潮・目の充血・喉の痰鳴または粘い痰がよくでる
舌質紅・舌苔黄膩・脈滑数
<解説>
痰火擾心証とは、痰と火が結し、
それが心神に影響して起こる症候であります。
痰熱は湿より発生します。
湿は食生活のかたより(脂っこいもの・しつこい味のもの・あるいは飲酒)、
季節の影響(梅雨や高湿度)または臓腑の機能失調によって、
水分が体内に停滞したものであり、湿の密度が濃くなったものが痰であります。
湿と痰は双方とも陰に属しており動きが鈍く、1カ所にじっと停滞します。
痰の停滞が長引くと熱性をもち、痰と熱は互いに結して痰熱となります。
痰熱が熱の性質によって上昇し、
心神を犯すと不眠が起こります。
精神的刺激や抑鬱状態により気鬱化火となり、
それにより津液が影響を受けると痰が形成されたり、
平素から痰のある人に熱が作用し、
この胆熱が心竅に影響して起こる場合もあります。
この証の不眠に対しては清熱化痰の方法で安神をはかります。

②肝鬱化火証

<症状>
不眠・多夢
いらいらする・怒りっぽい・胸脇張悶・よくため息をつく
乳房痛・月経不順・来潮時の腹痛
口苦・舌質紅・舌苔黄・脈弦数
<解説>
抑鬱や激怒により情志を損傷し、
そのため肝気がうまく条達できなくなり、気鬱となります。
この状態が改善されないと化火しやすいという特徴があります。
火には上炎性があり、
これにより火が心神に影響すると不眠がおこります。
この証の不眠に対しては清肝瀉火の方法で安神をはかります。

③心火亢盛証

<症状>
胸中煩熱
不眠
面赤・口渇・尿黄・大便硬・脈数有力
舌尖紅絳・びらん
<解説>
心火亢盛証とは、
心火内樴・神明擾乱として現れる証候であります。
五志過極による気鬱化火や六淫の邪の熱化、
辛いものの過食(酒・煙草を含む)
温熱薬の長期服用などは、
すべて本証を形成する原因となります。
本証は心が主っている亢進として現れます。
これは、多くの場合、実熱証であります。
ただし心陰虚がベースにあるような場合には、
機能が亢進し面赤・口渇・大便硬などの症状や、
機能が減退して動悸・健忘・多夢・盗汗などの症状が出て、安定しないことがあります。
この証の不眠に対しては清心瀉火の方法で安神をはかります。

④食滞内停

<症状>
不眠
宿食・腹部脹満・腹痛
悪心・嘔吐・ゲップ
下痢または便秘
舌苔黄膩・脈滑弦数
<解説>
胃気の不足、あるいは暴飲暴食などで胃を損傷したため、
水穀を受納し腐熱する機能が失調し胃脘部に食滞がおこります。
食物が長くに胃に停滞して胃気の下降を妨げ、
胃気が上逆すると不眠が起こります。
胃がムカムカして、ゆっくり横になることもできないような状態が現れます。
胃気不和によっておこる不眠は、原因である宿食を取り除けばよいので、
治療しやすいタイプであります。
しかし、食滞が長引いて痰熱に変化すると、
その除去は容易でなく治療は困難となります。
慢性胃腸疾患の患者は常に胃部に不快感があり、
熟睡することができないのはこのためであります。
この証の不眠に対しては和胃化滞の方法で安神をはかります。
症状 上腹部が苦しい・曖気・舌苔厚膩


参考文献:
『[実践講座]中医弁証』
『中医病因病機学』
『いかに弁証論治するか』
『針灸学[臨床篇]』
東洋学術出版社
『中医診断と治療 上巻』
燎原書店

※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみてあげて下さい。

木村

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