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こんにちは、大原です。
(前回の記事 第10篇「営気」)
今回から第11篇「営衛気と三焦」になります。
文章量が多いので、3回ぐらいに分けて書いていきます。
ちなみにこの篇は
『霊枢』営衛生会篇(第18)がもとになっているようで、
他の篇と同様に若干の修正が加えられています。
では原文からみていきましょう。
<原文>
黄帝問曰
「人焉受氣、陰陽焉會、何氣爲營、何氣爲衞、營安從生、衞于焉會。
老壯不同氣、陰陽異位、願聞其會。」
岐伯對曰
「人受氣於穀、穀入於胃、氣傳於肺、五藏六府皆以受氣。
其清者爲営、濁者爲衞。営行脉中、衞行脉外。
営周不休、五十而復大會。陰陽相貫、如環無端。
衞氣行於陰二十五度、行於陽二十五度、分爲晝夜。故氣至陽而起、至陰而止。
故日中而陽隴、爲重陽、夜半而陰隴爲重陰。故太陰主内、太陽主外。各行二十五度、分爲晝夜。
夜半爲陰隴、夜半後而爲陰衰、平旦陰盡而陽受氣矣。日中而陽隴、日西而陽衰、日入陽盡而陰受氣矣。
夜半而大會、萬民皆臥、名曰合陰。
平旦陰盡而陽受氣、如是無已、與天地同紀。」
<読み方>
黄帝問いて曰く
「人はいづくに氣を受けるか。陰陽はいずくに会するか。
いずれの氣を営と為し、いずれの気を衛と為すか。
営はいずくより生じ、衞はいずくに会するか?
老壮は気を同じくせず、陰陽は位を異にす。願くはその会を聞かん。」
岐伯対えて曰く
「人は氣を穀に受け、穀は胃に入り、氣は肺に伝す、五藏六府、皆もって氣を受く。
その清なる者を営と為し、濁なる者を衛と為す。
営は脉中を行り、衞は脉外を行る。
営、周して休まず、五十にしてまた大会す。
陰陽相貫くこと、環の端無きがごとしなり。
衛気は陰を行くこと二十五度、陽を行くこと二十五度、分かちて昼夜と為す。
故に氣、陽に至りて起き、陰に至りて止む。
故に日中にして陽隴んなるを重陽と為し、夜半にして陰隴んなるを重陰と為す。
故に太陰は内を主り、太陽は外を主り、各おの行ること二十五度、分ちて昼夜と為す。
夜半を陰隴んと為し、夜半後にして陰衰うと為し、平旦陰尽きて陽、気を受く。
日中にして陽隴んと為し、日西して陽衰え、日入りて陽尽きて陰、気を受く。
夜半にして大会し、万民皆臥す、名づけて合陰と曰う。
平旦陰尽きて陽氣を受く、これのごとく已むこと為く、天地と紀とを同じくす。」
<内容>
営気、衛気は、胃に入った穀(飲食物)によって享受され(生成され)、
肺に伝わり、五臓六腑が気を受けます。
営衛とは営気と衛気の2つを合わせた呼称ですが、
この2つのうち、清純なものを営気といって脈中をめぐり、
慓悍(すばしっこく、荒々しい)なものは衛気といって、脈外をめぐります。
営気、衛気は、それぞれ1昼夜の間に陽を25周、陰を25周し、
平旦(夜明け)と日西(日没)で相互に入れ替わります。
これが止まることなく循環し、
自然界の昼夜陰陽の変化の法則と同調しているのであります。
続きます。
参考文献
『黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社
『鍼灸医学大系 黄帝内経素問』
『鍼灸医学大系 黄帝内経霊枢』雄渾社
『完訳 鍼灸甲乙経(上巻)』三和書籍
興味のおありの方は、ぜひ参考文献もお読みください。