<近日開催予定のイベント情報>
9月29日(日)に学生向け勉強会を開催します。
詳しくはこちら→https://www.1sshindo.com/blog/zenith18979/
下野です。
過去に
東洋医学の面白い?不思議な古典籍
東洋医学の面白い?不思議な古典籍 其ノニ
という記事を書きました。
今回は名医 孫思邈が記した『千金翼方』。
東洋医学を修める者からすれば、
孫思邈の臨床経験を基に記された名著でありますが、
その中に”禁経”という呪術による治療が
最後に記されています。
呪術というと、やはり迷信的という考えが浮かびますが、
ただどの民族、勿論日本も行っていたものであり、
※日本だと治療ではないが、有名なのは戌の刻参りがあります。
迷信的と言われるのには、
やはり理論的でないためであると思われ、
古医書によっては呪術の類が書かれていても、
校正で消えたものもあると言われてもいます。
ではなぜそのような”禁経”を記載したのか。
その理由に
「禁呪法は神秘的であり、人情から隔てているため理解できない。
ただ、その効果は意表を超える」とし
治せる方法の一つだから。という事からのようです。
勿論、その当時の思想、哲学も背景としてあったと思います。
ただこういったものを
胡散臭いの一言で片付けるのではなく、
これも人類が病と闘ってきた一記録として
しっかりと後世に遺すべきものだと考えられています。
画像引用:『重刻孫真人千金翼方 30巻序目』(京都大学附属図書館所蔵)
<参考文献>
『千金翼方校釈』 人民衛生出版社
『馬王漢墓出土「五十二病方」における呪術的治療の一側面ー「「禹歩」「唾」「噴」による治療の意味」』 坂出 祥伸
※画像や文献に関して、ご興味がおありの方は
是非参考文献を読んでみて下さい。